一般社団法人ライフロングウォーキング推進機構「複業留学」受け入れ企業インタビュー

2023.02.17

人的リソース不足が解消し事業にも活きた

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。

一般社団法人ライフロングウォーキング推進機構の白倉様に複業留学で取り組んでいただいた内容についてインタビューいたしました。一般社団法人ライフロングウォーキング推進機構は「みんなで歩くと、未来につながる」をコンセプトに、自治体でのウォーキング推進活動をおこなっています。市民の歩行活動を促進することで、医療費の削減を目指しています。また、研究機関でもあり、集めたデータをもとに学会発表のための論文の作成もしている団体です。

－複業留学の受け入れを決めた理由を教えてください

私どもの理事の一人から、受け入れてみてはどうかという話がありました。私どもの社団法人はちょうど事業拡大中で、人的リソースが足りていません。この先を考えた場合に、留学生の力を借りてさまざまなリサーチができればと思い、受け入れを決めました。

－留学生は複業留学中どのような稼働をしていましたか？ 活動内容を簡単に教えてください

基本的には週に1回Zoomで対話しました。課題に対するアウトプットや、次にどんなことをすべきかなどをウェブ会議で進めていきました。具体的には、潜在的なクライアントの候補へのヒアリングなどをしていただきました。昨今の企業は健康経営がキーワードになっていますが、企業の従業員の健康のために何かできることはないかというお話がありまして、新規事業として可能性があるのかをゼロからリサーチしていただきました。

－実際に受け入れてみてメリットや事業に活かせる点はありましたか

複業留学を受け入れるのは今回が初めてでしたので、どのぐらい留学生と話しができるのか、時間的な部分も含めて不安なところがありましたが、留学生がすでにさまざまなビジネスの場を経験されていたので、社団法人のミッションをすぐに理解し、コミットメントしていただきました。そのためゼロから研修を行うというより、早い段階から戦略的な話をすることができたことがメリットだと感じています。

また、研修の内容がリサーチでしたから、出てきた情報のすべてが私どもにとって有用でした。今後事業を展開する上での構造上の問題点についても話せましたし、事業に活かせた点は多かったと思います。

－苦労した点について教えてください

コミュニケーションは特に問題ありませんでしたが、現場の仕事にあまり関わっていただけなかったことが問題点かと思いました。私どもは市民の方と触れ合いながら講演活動などをしますが、期間が3ヶ月だけということもあり、留学生とのスケジュールが合いませんでした。そのため現場に出ていただくことができませんでした。その点が苦労といいますか、後悔しているところです。現場に出ていただけたら私どもの活動についてもっと深く知ることができ、次に活きたのではないかと思いました。

－留学生の変化について気づいたことを教えてください

私どもには活動するうえで得た健康知識があります。たとえばウォーキングが体に与える影響、続けることによる社会的なモチベーションの向上、新たなコミュニティの形成などです。その具体例を私どもを通して間近で見ていただけたと思います。

－最後に、複業留学の受け入れを検討している企業へのメッセージをお願いします

試してみたいと考えていても社内のリソースを割くほどではないケースで、この複業留学は非常に有用だと思いました。また、留学生の背景をよく知ったうえで、アサインメントや課題を設定するのがスムーズではないかと思います。留学生にはいろいろな背景があります。背景は千差万別ですので、できる限り留学生の背景や意向をまず聞き出すことが大切です。初めから課題設定をしてそれに合う留学生を探すのは難しいことです。整ったカリキュラム通りに進めるよりも、まず背景や意向を聞いてからどうするかを決めるのが、受け入れる企業にとっては良いのではないかと思います。