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複業留学体験レポート「異業種での経験がもたらした自己変革とキャリアの広がり」

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた帝人ヘルスケア株式会社 所 福山和佳 様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業
Milk.株式会社
https://www.milk-med.com/

──本業での仕事内容を教えてください。

私は現在、製薬企業の営業職、いわゆるMR(Medical Representative)として働いています。一般的な営業職と異なり、私たちは生命に関連する製品を取り扱っており、その安全性や有効性に関する情報を適切に医療従事者に提供することが求められます。
私の主な業務は、自社製品を新たに使用していただくために、医療従事者に対してこれらの情報を伝えることです。大学病院のような高度な専門治療を行う医療施設を担当しており、個人のクリニックとは異なり、より専門的な治療を提供する施設で、自社製品に関する情報を医療関係者に提供することが私の役割です。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。

まず年齢的に30代に突入したタイミングで、自分自身を見つめ直す良い機会だと感じたからです。この10年間をどう過ごすかを考える中で、自分のスキルや経験を外部で試してみたいと思いました。これまでの約10年間、一つの企業で培った経験が外部でどのように評価されるのか、客観的な視点を得ることも目的の一つでした。
また私はもともと仕事に対するこだわりが少ないタイプだと感じており、自分を変えるためのチャレンジとしても意義があると考えました。
留学先企業の一覧を見た際に、最近興味を持っているヘルスケア領域のスタートアップやベンチャー企業が含まれていたことも大きな理由の一つです。この企業での経験が、自分の関心と合致する部分が多いと感じ、手を挙げる決意を固めました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?

主に二つの活動を行いました。一つ目は、留学先で毎月実施されているスタートアップ向けのピッチイベントの運営です。
このイベントの開催形式が、本業で行っている製薬企業主催の医療関係者向けセミナーと似ていたため、イベントの準備や運営方法に関する経験を活かすことができました。
二つ目は、留学先のメイン商品の新規マーケットの選定や仮説立てといったマーケティング活動です。営業の立場から、新しい市場でどのように営業を展開すべきかを考え、提案しました。
イベント運営に関しては、対象は異なりましたが、準備や当日の対応に関するノウハウを事前に提案し、活かすことができたと思います。
一方、営業活動に関しては、取り扱う商材や領域が全く異なるため、知識的な部分は活かせませんでしたが、素人の立場から製品の特徴を伝える方法を考えることで、営業の観点から新たな提案ができたと感じています。
また、イベントの準備に関しては、ギリギリのスケジューリングが多く、個人的にはヒヤヒヤする場面もありましたが、事前に決めておくべきポイントとギリギリでも対応できる部分を分けて提案することで、運営の効率化に貢献できたと思います。異業種の違いを感じながらも、新鮮な経験を楽しむことができました。準備の重要性を再認識しつつも、スタートアップならではの柔軟な運営スタイルにも触れることができたのは貴重な経験でした。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?

一番困ったのは、自分が何をやりたいのかを明確にすることが苦手なタイプであることです。
留学先の代表の方が「やりたいことに取り組んでほしい」というスタンスで、具体的なゴールやニーズが提示されなかったため、最初は何をすれば良いのか分からず戸惑いました。
この問題を乗り越えるために、まず留学先の社員が普段どのような業務を行っているのかを把握することから始めました。何度か訪問したりランチを共にしたりして、彼らのニーズや不足している部分をヒアリングしました。
その結果、自分がどのように貢献できるかを考え、具体的なイベント運営とマーケティング活動の二軸で進める活動内容を提案しました。
代表の方と定期的にミーティングを行い、進捗を確認しながら徐々に活動の方向性を固めていきました。このようにして、相手のニーズを理解し、自分の強みを活かせる部分を見つけることで、徐々に道筋を立てていくことができました。自由にやっていいと言われると逆に難しい部分もありましたが、ヒアリングと試行錯誤を繰り返すことで、最終的には自分なりの役割を見つけることができました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?

初日に指定された住所に行った時のことです。事務所だと思っていた場所が、実際にはマンションの一室のような場所でした。このアットホームな環境は、私にとって非常に新鮮で、スタートアップの初期段階を目の当たりにしたという強いインパクトを受けました。
これが成長していく過程で、一般的なオフィスに移行していくんだなという未来を感じることもできました。
また、 驚いた点としては、意思決定のプロセスの違いです。本業では、上司やさらにその上の上司に判断を委ねる形で進めることが多いですが、留学先では一対一のコミュニケーションが基本でした。 自分で結論を持っていき、それを代表の方と直接話し合うスタイルです。社員の人数が少ないこともあり、迅速な意思決定が求められる環境でした。
このような違いを感じながら、スタートアップならではの柔軟でスピーディなコミュニケーションの取り方を学ぶことができました。これまでの経験とは異なる新しい視点を得ることができたのは非常に貴重な体験でした。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? 

マインドセットの部分で大きな変化がありました。特に 「自分は何をしたいのか」「何に興味があるのか」といったことを考えるようになりました。
これまではあまり他の会社に目を向けることがありませんでしたが、今では他の会社や業界にも興味を持つようになりました。これまでこだわりがなかった部分についても、実際にどうなのかを探るようになり、興味の観点やポイントを考えるようになりました。
まだ明確に「これだ」というものは見つかっていませんが、外をみることも選択肢の一つとして考えるようになりました。
また、社内のポジションについても、これまであまり考えていなかった異動の可能性を視野に入れるようになりました。例えば、自社でもベンチャー企業を買収して自社のサービスに組み入れることがあるので、そういった部署での経験も面白いかもしれないと感じています。複業留学を通じて視野が広がり、仕事の捉え方や選択肢が増えたと感じています。
自分の中で新しい可能性を模索している段階ですが、こうした経験を通じて得た新しい視点や考え方は、今後のキャリアに大いに役立つと感じています。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?

同期の進捗具合を見て、スタート当初、あまり進展がなかったことに少し焦りを感じました。特に、他の同期がどんどん進んでいる様子を見て、「こんなにみんな進むのか」と驚きました。これが刺激となり、少し焦りを感じる部分もありましたが、その後は、他の同期の進捗をあまり詳しく見ないようにしていまし、全体的なレポートや活動内容を見た時に、ある程度自分のミッションを明確に持って取り組んでいる人の方が、現状の業務をうまく活かせており、進展が早い傾向にあると感じました。
私の場合、スタート時から何をすれば良いのか明確でなかったため、進展が遅れた部分がありました。この点が、他の同期と比べて違いとして現れたのだと思います。
この経験を通じて、自分のミッションや目標を明確に持つことの重要性を再認識しました。これからは、もっと具体的な目標を持って取り組むことで、より効果的に進めていきたいと感じています。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?

第三者からの評価を受けて、正直なところ、申し訳ないぐらいに良い評価を頂いたなと思っています。自分では特に強みだと思っていなかった部分や、あまり意識していなかった点が評価されていたことには驚きました。具体的に「こういう部分を見てもらったんだな」と感じることが多く、自分では気づいていなかったポイントが評価されていたことが嬉しかったです。
この評価を通じて、自分の強みを再認識し、今後のキャリアにおいても自信を持って取り組むことができると感じました。外部からの評価は、自分自身の新たな視点を提供してくれる貴重な機会だと改めて感じました。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?

まずは 外に目を向けるという一つのきっかけを得たことを継続的に活かしていきたいと思います。
今回の経験を通じて、定期的に自分のキャリアを棚卸しする時間が重要だと感じました。会社人生が淡々と進んでいくことを防ぎ、自分の成長を見つめ直す機会を持ち続けたいです。
また、今回のような巡り合わせで新たなチャンスが舞い込んでくる可能性もあるので、常に自分のキャリアについて考えておくことが大事だと感じました。これからも、節目ごとに新しい挑戦をしながら、自分自身を振り返り、キャリアの棚卸しをする機会を大切にしていきたいと思います。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?

紹介する相手の属性や年齢、タイミングによって異なると思いますが、特に20代後半の若い方には一度試してみると良いのではないかと思います。
外に出てみたいという気持ちがある時期と重なるタイミングで、このような経験を併用することで、視野を広げる良い機会になると思います。実際に外に出てから後悔するよりも、事前にこうした視点を得ることで、より良い選択ができるのではないかと感じています。
今の職場の後輩にも「一度やってみたらどうか」と伝えました。外に出る前にこうした経験を積むことで、転職やキャリアチェンジの前に自分の適性や興味を確認することができるので、おすすめです。
また、年齢が上の方にもおすすめしたいと思います。特にスピード感についていけないと感じる方や、もっと変化を求めている方には、このような流れに身を置くことで新しい視点や刺激を得ることができると思います。変化の多い環境で自分を試してみることで、新たな発見や成長が期待できるのではないでしょうか。このように、複業留学は年齢やキャリアのステージに関わらず、多くの人にとって有益な経験になると思います。

複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e5%a3%b0
複業留学 受入企業インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%E5%8F%97%E5%85%A5%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%A3%B0?_gl=1%2A1c5r7oq%2A_gcl_au%2AMTkwODU2ODc0MC4xNjkyMzIwNzM3


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越境型研修サービス一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu

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