エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大日本印刷株式会社 山本様に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
私は、社内工場向けにロボットを活用した設備の導入を担当しています。所属は本社の研究所で、新規技術の開発と得られた技術を製品分野の垣根を越えて展開していく役割を担っています。
具体的な業務としては、工場の課題抽出、新規設備の設計開発、導入支援までを一貫して行っています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
新規事業の創出に貢献できる人材を目指し、手を挙げました。これまで新規事業を企画するプロジェクトや新製品開発に携わることがありましたが、経験不足のため、手探りで進めていました。そこで、複業留学を通じて、新規事業の創出に必要な視点や、意思決定の進め方を実践的に学びたいと考えました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先では、オンライン診療ビジネスの立ち上げに取り組みました。具体的には、競合調査、顧客獲得から収益化までの全体フローの設計とシステム構築を行いました。
留学先で活かせた能力は、業務で培った設備動作のフロー設計力です。まずは全体の流れを考えた上で、個別要素の開発を進めていくというアプローチは、日常の工程や装置の設計、留学先でのシステム設計の両方に共通することに気づきました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
コミュニケーションの取り方に苦労しました。留学先では代表とのやり取りが主でしたが、相手が忙しい中でどのタイミングで、どの程度のアウトプットが出たら相談をしていいか試行錯誤していました。
最初は、自分の考えた内容をまとめてからでないと議論を始められないと思っていましたが、業務をスピード感を持って進めるためには、もっと早い段階でのコミュニケーションが重要だと気づきました。
それ以降は、手書きの構想資料を使うなど最低限の準備で方針をすり合わせ、資料を作りながらフィードバックをもらうことで、徐々に質を高めていくことを意識しました。これにより、認識のずれが発生しづらくなり、スピード感のある業務の進め方ができるようになりました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
メンバー全員がお互いの業務内容を把握し、サポートし合う風土があるところに違いを感じました。私の職場では、部署やメンバーごとに役割が明確に分担されています。それに対し、留学先では、例えば歯科衛生士がオンラインの顧客対応や、薬の発送業務を行うなど、複数の役割を兼任していることに驚きました。また、誰かが休んだ際には他のメンバーがフォローするという文化があり、お互いの仕事をサポートし合う姿勢が印象的でした。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
自分が方針の決定に関わるプロジェクトについては、 早い段階でコミュニケーションをとるようになりました。 考えが完全に固まってから相談するのではなく、アイディアレベルで共有することで、「こちらの進め方の方がいいのでは」といった意見を周囲から得られるようになったと感じています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
全員が未経験のことに挑戦する中で、それぞれの課題に対する反応が異なることに気づきました。ある人は前向きに解決策を模索している一方で、別の人はモヤモヤした気持ちを抱えている様子が見受けられました。このような多様な反応を見て、困難な状況に直面したとき、その人の考え方や心の持ちようが反応に大きく影響するのを実感しました。この気づきから、置かれた状況をプラスに考えるよう意識するようになりました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
普段、自分の業務の進め方についてフィードバックをいただくことがないため、とても貴重な経験でした。留学中に「今日のコミュニケーションの取り方はよくない」と指摘を受けたことは、今後改善し、活かしたいと思います。
また、全体的には良い評価をいただき、お世話になった留学先に貢献してくれたと言っていただけたことを嬉しく思いました。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
コミュニケーションに関して、業務のメンバーとやり取りをする際には、完成度を高めることにこだわらず、まずはアイデアを出してみることを心掛けたいと思っています。 相手の意見を聞きながら方向修正を行うことで、仕事のサイクルを早めることができると実感しています。
また、新規ビジネスの立ち上げの経験は、現在進行中の他社との新規事業創出プロジェクトに活かしていきたいです。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
興味を持っている人には、まず「やってみたら」と伝えたいです。周囲に話しを聞いてみると、興味はあるものの業務が忙しくなりそう、よくわからないから応募しないなど漠然とした理由で参加しないケースが多いと感じました。私は留学を経験し、 キャリアの振り返りができたこと、強みと弱みの理解が深まったこと、他社でも業務を行える自信がついたことなど、他では得られない貴重な経験ができたことに感謝しています。私の経験を伝えることで、興味を持っている人の背中を押していきたいと思っています。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。
詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。
複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%e8%a4%87%e6%a5%ad%e7%95%99%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e5%a3%b0
複業留学 受入企業インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/blog/tag/%E5%8F%97%E5%85%A5%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%AE%E5%A3%B0?_gl=1%2A1c5r7oq%2A_gcl_au%2AMTkwODU2ODc0MC4xNjkyMzIwNzM3