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導入企業インタビュー「越境サーキット」導入の背景と期待:オリエントコーポレーションの挑戦

エンファクトリーの提供する越境学習「複業留学」・「越境サーキット」を継続的に導入いただいている株式会社オリエントコーポレーション。今回は、「越境サーキット」にスポットを当て、同社の栢野様、相原様、市川様にプログラム導入の背景と今後の期待についてインタビューいたしました。

「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う越境研修です。「越境サーキット」は 他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型研修です。

プロフィール

株式会社オリエントコーポレーション
栢野 勇一郎氏
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部長兼インクルージョン&ダイバーシティ推進室長

株式会社オリエントコーポレーション
相原 絵里花氏
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部 人財開発チーム 主任

株式会社オリエントコーポレーション
市川 雄太氏
人事・総務グループ キャリアデザイン推進部 人財開発チーム 課長代理

――オリエントコーポレーションさんが、越境学習(複業留学、越境サーキット)の導入に至った経緯を教えてください

当社は、今年で創業70周年を迎えます。金融機関では珍しく、一度も経営統合や合併などの経験がありません。かつ新卒一括採用の終身雇用を続けてきました。これまで祖業である個品割賦事業をはじめとした事業展開をしてきましたが、生産年齢人口の減少により取扱いは減少していきます。海外事業やカード・融資事業などは順調ではありますが、個品割賦事業を超える新たな基幹事業を創出しなければなりません。

三年前に中期経営計画を作り、新たな人財戦略を掲げて、人事の基盤作りを考えた際、外部コンサルティングの方に、「そもそもオリコの部室店長にどんな人が多いか」を見てもらいました。同質的で内向き、少人数だと熱く語るのに、大きな集団の中ではおとなしくなり、発言したとしてもお行儀のいい話をする傾向があると言われました。思い当たる節はあって、似たようなタイプが社内に多く、とても楽なのです。しかし、同調を好み言いたいことを言わずに、毎日同じ人とばかり飲みに行っていたりしたら、なかなかイノベーションなんて起きません。

これまでは本格的なキャリア採用をやっておらず、二年前から本格的に経験者採用を始めました。中途入社の方と関わると、私たちが今まで当たり前だと思っていたことが「あ、違うんだ!」みたいな発見がありました。異なる価値観、社外での就業経験が重要であると気づき、異質なもの同士がぶつかると何かが生まれるのではないかと、新卒と同等人数の経験者採用を計画し、順調に採用も進んでいます。

加えて、「もっとキャリアアップしたい」という若手の転職も増えています。特に若手は新しいことがやりたくても、実現に向けて社内の関係部署との調整が多すぎて、なかなか進まずに諦めてしまい、結局転職してしまう。だから、チャレンジできる機会をもっと増やしていかなければと思いました。そこで転職しなくても、副業として社外の就業経験できる社外副業(複業留学)や異業種の方と触れ合える越境サーキットが、すごくいいなと思ったのです。

他の企業カルチャーに触れ、どんどん視野を広げ、社外のネットワークを増やし、多様な考えを持つ自律的な人材を多く作っていきたいと思って、越境学習を導入しました。

私はこれまでクレジットセンターで8年働いており、オペレーション業務が多かったため、自分の成長や今後の挑戦について悩んでいました。そのような環境にいる中で、社外副業にチャレンジするのはハードルが高い方もいますが、越境サーキットであれば、3ヶ月間、週に1時間程度、他の企業の方とともに仲間意識も持ちながら課題を解決できるため、スモールステップとして良い施策だと思います。

挑戦するか二の足を踏んでいる方や、何かしたいけれど何から始めればよいか分からない方にも、越境サーキットはチャレンジしやすい施策です。中期経営計画で掲げている会社と社員のWin-Winな関係構築の一つの形であると思います。

――越境サーキットはチームで参加するので、「変わらなきゃと思っていても変われない人」や「変わりたくない」と思っている人も、まずは参加してみようとしやすい取り組みですね。越境サーキットに期待していることをお伺いしたいです。

社員のチャレンジマインドを醸成する場として越境サーキットを導入しています。ベンチャー企業の方たちが抱えるリアルな課題や、経営層と近い目線に触れ、仮説や提案を行う実践の場としてこのプログラムを活用することで、社員同士が他者との交流を通じて自己理解を深めてもらいたいと考えています。新たな視点を得ることに最も期待しています。

越境サーキットで出会った他企業の方々と繋がり続けてもらい、困った際やアイデアが欲しい時に気軽に相談できるような関係を作ってもらいたいです。その繋がりが、ゆくゆく会社にとってのプラスになってくるのではないかなと考えています。

越境サーキットを通じて、新しいアイデアやアプローチを見出し、組織全体の成長に寄与し、相乗効果でWin-Winの関係構築を実現できるとよいですね。

当社は人事基本方針の中で、求める人材像として7つの要素を掲げ、社員に不足している主体性(「誰か」ではなく「自分」がやる、「指示待ち」ではなく「自分」で考える)を最初に示しています。越境の機会は、自分がやらないと動かないと感じることができるので、主体性を意識できる取り組みでもあると考えています。他には、多様な人材をマネジメントしていくことも越境サーキットを通じて考えるきっかけになるのではないでしょうか。

左:栢野さん 右:相原さん

――越境サーキットをうまく使って、主体性を発揮してみた時に認められる成功体験を得て、自社に持ち帰っていただくなどの使い方もできますね。プログラムの導入にあたり工夫されたことはありますか?

もともと社外副業(複業留学)を導入していたこともあり、越境サーキット導入に対するハードルは高くありませんでした。ただ、その社外副業と越境サーキットの違いを社員にできるだけわかりやすく伝え、「まずは挑戦して一歩を踏み出してほしい」というメッセージを発信しました。そのため、初めから10人以上の方が手を挙げてくださったのではないかと考えています。

あとは、各部室店の所属長に「部下の後押しをしてほしい」と個別に伝え、実際に上長との面談で後押しを受けて参加を決めたという声も聞こえてきています。

社外副業も越境サーキットも参加する際には、社内通達を発信し募集しています。さらに、各部室店長向けに「検討している社員の背中を押してください」と支援依頼のメールをしています。

加えて、社内コミュニケーションサイト『&Orico』で、参加者の声も共有しています。社外副業、越境サーキットのインタビューを掲載して、それを読んだ他の社員がコメントをし合ったりしています。キャリアに関することを、『&Orico』の中で発信をしていくことが我々のミッションでもあるので、社員の皆さんもよく見てくれています。

社内コミュニケーションサイト「&Orico」の一部

――社外でのチャレンジを知ってもらう、興味を持ってもらう工夫が素晴らしいですね。今回、越境サーキットの参加者からはどんなお声がありますか?

他の企業の方と交流しながら、同じ目標に向けてさまざまなアプローチをしていく経験が非常に有意義だったという声が、ほとんどの参加者から上がっています。さらに、自社の考え方や視点で物事を考えてしまうと、それが正しいと思い込んでしまうこともあります。越境サーキットを通じて、外に目を向けることの重要性を改めて認識できたという声もあります。参加者のキャリア観、価値観に大きな影響を与え、その後どのように成長するかはまだ定点的には見られていませんが、成長には繋がっていると私は感じています。

 急に外に出るのは大変ですが、他の企業と一緒に活動することに対して、気づきを得られたとみなさんおっしゃいますね。越境サーキットを受けてすぐ目に見える変化は難しいと思いますが、キャリアを描く一つの材料としてもらっているのは実感しています。

越境サーキットの参加は、特に主体性を重視しています。もちろん、上司には支援するように伝えていますが、本当にやりたい人が手を挙げ、積極的になる社員がどんどん増えてくることを期待しています。

――手挙げにすると、意外なタレント発掘にもなりそうですね。

そうですね。社外副業も越境サーキットも参加する社員に人事発令(修了時も)を出しています。発令しているので、「この社員が越境しているんだ」と全社員にわかるようになっています。

――「この方が挑戦しているんだ」と可視化され、周りの社員の方にも刺激になりそうですね。では今後の越境サーキット活用についても、ぜひお聞かせいただければと思います。

今は若手や中堅社員の手挙げ参加が多いですが、管理職層やもう少し年次の高い社員の方にもチャレンジもしてもらいたいと考えています。今後のキャリアを考える際の気づきになるのではないかと思っています。

役職についている方々もこれまで越境サーキットに参加されており、「本当に楽しかった」「越境ロス」とおっしゃっていました。

新たな学びに取り取り組むきっかけにしてほしいと思っていますし、多様な考えを持つ自律的な人材を育成し、積極的に挑戦する企業カルチャーを広めていきたいです。越境サーキットを今後も継続していきたいと考えています。

人事として、社内の広報活動や導入後の参加者がどのように変わったのか、成長したのかを捉え発信していけたらよいと思っています。積極的に挑戦する文化を作り、引き続き越境学習を活性化していきたいと考えています。

今も一部社員にキャリアに関するインタビューを行い、ターニングポイントや経験談を社内コミュニケーションサイト『&Orico』に掲載しています。越境に参加した社員にも、越境サーキットを受けたからこその変化や気づきが振り返るとあるはずなので、参加してどう変わったかを数年後にインタビューするなどして可視化していきたいです。

――越境した人と新たな行動や学びを始めることは、正の相関があると言われています。なので、オリコさんの中の越境後の参加者を定点観測してくと何か見えてきそうですね。最後に、越境サーキット導入を検討している企業様に向けてメッセージをお願いします。

越境サーキットの導入を検討中であれば、まずは小規模から導入されることをお勧めいたします。

通常の業務との兼ね合いを気にされる企業の方が多いと思うのですが、越境サーキットの取組みは3か月間と比較的ライトなプログラムであり、そこまで時間は取られません。仮にもし、業務に穴があいたとしても、その後の効果やパフォーマンスで、十分取り返せると思います。

また、「異業種交流の機会を持ちたい」、「視野を広げたい」と考えられている方におすすめです。社員もいろいろな気付きが得られて、有用な教育プログラムであると実感しています。試しにやってみてはいかがでしょうか。

他の企業の方とコミュニケーションをとる機会が得られたことは、参加者にとって広い視野を持つことにつながりますし、非常に有意義だったという声も実際にいただいています。自分から一歩を踏み出して新しいことにチャレンジすることで、さらなる成長ができることを実際に社員に体感してもらえます。社員にとっての機会提供は、ひいては組織の企業価値向上にもつながると思いますし、貴重な機会が社員に提供できるっていう点で、ぜひ導入していただければと思います。

<株式会社オリエントコーポレーション・越境サーキット参加者の声>

越境サーキット参加者インタビュー「固定概念を打破する異業種交流の力」
越境サーキット参加者インタビュー「視野を広げ、一歩踏み出す勇気を得た3カ月」 
越境サーキット参加者インタビュー「コミュニケーションの壁を越えて得た自信」
越境サーキット参加者インタビュー「自社だけでは得られない価値、異業種交流の力」

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エンファクトリーでは、越境サーキットをはじめとする越境学習サービスを提供しております。詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。

越境サーキット:https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit
越境型研修サービス一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu
エンファクトリーの主催するイベント:https://peatix.com/group/66906/events

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