エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。
サッポロビール株式会社 山口 洋子様に、越境サーキットにご参加いただいた内容についてインタビューいたしました。
課題提示企業:株式会社Spomee 代表取締役 松尾 嘉比古 様
参加企業:コニカミノルタジャパン株式会社、株式会社アイシン、株式会社アドバンテッジリスクマネジメント、株式会社オリエントコーポレーション、他
年齢層:20代~50代、16名
プロジェクト:2024年度越境サーキット第7タームA(12/3〜2/24)
──「越境サーキット」に参加した動機や目的は何でしたか?
越境サーキットに参加した主な理由は二つあります。一つは、今年56歳を迎え、役職定年が近くなるためを迎えるため、今後のキャリアに向けて自分のスキルや強み、弱みを外部の視点で評価したいと考えたからです。
もう一つは、昨年役職定年を迎えた夫が沖縄で働くという夢を実現させたことがきっかけです。夫の姿を見て、給与よりも夢を叶えることの大切さを実感し、自分自身も60歳以降のキャリアについて考える必要性を強く感じました。
ちょうどその時期に、当社で45歳以上を対象とした越境サーキットの募集があり、外部での新たな経験に興味を持ちました。
また、会社が社員の挑戦を支援していると感じ、人事部門に携わる者として、まずは自分が率先して挑戦してみようという気持ちで参加を決意しました。
──プログラムを通じて得た最も価値のある学びや経験は何でしたか?
越境サーキットを通じて、自分がどのような仕事を好むのかがより明確になりました。
もともと商品開発やマーケティングに携わった経験があり、ゼロから何かを生み出すことや、与えられたテーマに基づいて新しいものを作ることが好きだと改めて感じました。
現在も業務改革や仕組み作りに携わっていますが、そういった創造的な仕事が自分に合っていると確信しました。
一方で、今後役職定年後に自分が携わる仕事について考えると、会社から与えられる仕事と自分の好きな仕事との間にミスマッチが起きないか少し不安もありますが、越境サーキットを通じて、本業以外の活動をすることの重要性を実感しました。自分の仕事がある中で、異なる軸で副業やボランティアなどの活動をすることは非常に大切だと感じています。今後はそういった時間を意識的に作っていきたいと考えています。
──チームでの課題解決活動の中で、特に印象に残ったエピソードはありますか?
最初はTeamsを使ってオンラインで話し始め、お互いに様子を見ている状態でしたが、不思議なことに、段々と自然に各自の役割が決まっていきました。常に仕切り役をする人がいれば、私のように年齢が上の立場から全体を鼓舞する役割を担うなど、それぞれが自分の立ち位置を肌感覚で掴んでいきました。例えば、営業職の方が「プレゼン資料を作ります」と申し出るなど、自然に分担が決まっていった空気感がとても面白く印象的でした。
また、チームのスローガンをモチーフにしたイラストをAIで作成したことで、皆さんの想いが一つになった感じもありました。(私が勝手に作成しました)
この空気感が自然と醸成されたのは、チームメンバーに恵まれたからだと感じています。
また、チーム構成の多様性も良かったと思います。幅広い年齢層の方々とチームを組むことができ、互いに刺激し合える環境になったと感じています。
特に印象深かったのは、越境サーキットがオンラインでの活動であった中、対面での交流会にチームメンバーが参加する機会があったことです。その際、全国各地にいるメンバーが東京に集まる貴重な機会を利用して、交流会の前にぜひ会いたいという話が持ち上がりました。そこで、弊社に他のメンバーを招き、リアルでコミュニケーションを取りながら方向性について議論する機会を設けました。
この対面での交流を通じて、チームの結束力が高まり、各自の役割がより明確になったと感じています。
その結果、プロジェクトの進行が加速する瞬間を体験することができました。
この経験を通じて、チームで仕事をすることの面白さや、共に課題を解決していく過程の醍醐味を実感しました。
オンラインと対面のコミュニケーションをうまく組み合わせることで、チームワークが効果的に機能することを学べたのは非常に貴重な経験でした。
──プログラムを通じて自己理解を深めることができたと思いますか?具体的にどのような自己理解が得られましたか?
越境サーキットを通じて、自分自身についての理解が深まったと感じています。
ゼロから何かを生み出すことが好きだということや、チームの中で自分の立ち位置をすぐに理解し、適切な役割を演じられることが分かりました。これが自分の強みなのかもしれないと気づきました。
──活動中の学びを実務に応用したり、行動変容につながった経験はありますか?
二つの点で実務に応用できていると考えています。
まず一つ目は、越境サーキットを通じて得た「VUCAの時代におけるスキルの併用力」の重要性です。
私たちが直面している変化の激しい環境では、複数のスキルを組み合わせて活用することが求められます。このことを改めて認識し、チームメンバーにも外に出て学びを深める重要性を常に伝えています。
二つ目は、この経験を社内で共有する取り組みです。
越境サーキットに参加した3人のメンバーと共に、各メンバーの所属部署に対して体験報告会を開催します。この報告会を通じて、次回の越境サーキット募集クールに向けて新たな参加者を募り、この体験をより多くの人に広げる活動を進めています。
──このプログラムを経験したことで、自分のキャリア観や価値観に何か変化はありましたか?
副業というものが決して悪いものではないという認識を持つことができました。
通常の業務以外にも興味や関心を持つことは誰にでもあると思いますが、越境サーキットの体験を通じて、それを真剣に考える機会になりました。外部に出ることで自分の価値観を見つめ直し、それが組織にとってもプラスになると感じています。
役職定年を迎えて時間に余裕ができたら、そういった経験をしてみるのも良いかもしれないと考えています。
また、皆さん本業が忙しいとは思いますが、常に違う業界に当てはめて考えることや、ご自身の将来について考える時間を10%くらい持つことを意識したほうが良いとお伝えしたいです。
──異業種(違う会社の方)と交流するメリットを教えてください。
異なる会社の方々と交流することで、様々な発見がありました。
例えば、システムやツールの使い方についても、Teamsなどのオンラインツールを使用した打ち合わせの際に、「こんな機能があるんだ」とか「どういう使い方ができるんだろう」といったオンラインならではの発見がありました。このような発見は非常に有益で、お互いに情報交換ができる良い機会となりました。
また、他社の制度、特に人事制度などについてフランクに聞けることができ、情報交換できるというのは非常に良い仕組みだと感じました。
──あえて実践しておけばよかったことや、後悔している部分があれば教えていただけますか?
後悔というよりは、時間の使い方について気づきがありました。
3ヶ月という期間はあっという間でしたが、私の場合は新幹線での移動時間が多かったので、その時間を有効活用して物事を考える良い機会になりました。移動時間を使って考えを巡らせることは、日常業務から離れて物事を見直す良い切り替えの機会となりました。
通常の業務以外のことをゼロから考えるのは非常に面白く、久しぶりに頭を使った感覚がありました。今までは左脳中心で考えていたものが、右脳も使いながら、より高い視点で物事を見ることができたのは、非常に貴重な経験でした。
また、実践したほうが良いと思うこととしては、自分をオープンにさらけ出すことが大切だと思います。 身構えるのではなく、外部の環境だからこそ、自然体で接することが重要です。自分の等身大の姿を見せることが、他の参加者との良い関係を築くために必要だと感じました。
【越境サーキットとは?】
越境サーキットは、3か月間(合計20時間)、異業種混合チームでスタートアップの課題解決にチャレンジするプログラムです。越境学習のプロセスを通じて、「人と組織が変わるきっかけ」を生み出します。
詳しくはこちら:https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit
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