エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。
株式会社オリエントコーポレーション 樋口典子様に、越境サーキットにご参加いただいた内容についてインタビューいたしました。
課題提示企業：若潮酒造株式会社 取締役 上村 曜介様
参加企業： NECネッツエスアイ株式会社、みずほビジネスパートナー株式会社、株式会社PFU、株式会社オリエントコーポレーション、株式会社ニフコ、株式会社ネクスウェイ、株式会社千葉興業銀行、株式会社明治、株式会社都築電気、株式会社東北電力、株式会社能美防災 他
年齢層： 20～50代 、35名
プロジェクト： 2024年度第5ターム（11/25〜2/20）
──「越境サーキット」に参加した動機や目的は何でしたか？
自分のスキルが社外でも通用するのか、また変化の激しい時代に合わせた変革マインドがしっかり機能しているのかを確認したくて参加しました。
越境サーキットの情報は以前から目にしていましたが、社内で新しい役割に就いたばかりだったため、参加するかどうか迷っていました。しかし、今回のテーマが自分の本業と並行して取り組めるものであると気づき、本業にも課題提示企業側にも良い影響を与えられるのではないかと考えました。特に、パーパス策定という理念に関するテーマが大きな後押しとなり、参加を決めました。
──プログラムを通じて得た最も価値のある学びや経験は何でしたか？
学び続けることと、その深め方の重要性を強く実感しました。学ぶという行為を掘り下げ、新しい視点に気づいたり、考え方を広げることで、自分の成長の機会を得られたと感じています。
──チームでの課題解決活動の中で、特に印象に残ったエピソードはありますか？
チームメンバーの年齢は様々でしたが、最初の打ち合わせで全員が「フラットに意見を言い合おう」と決めたことが印象に残っています。 相手の意見を尊重し、共感した上で新しい意見を創り出す姿勢を大切にしました。この方針がうまく機能し、メンバーの協働意識が高まったと思います。
課題に取り組む中で、自然と それぞれの役割が明確になり、メンバーの持ち味が発揮できたことで、チームの提案が優勝につながりました。
チームメンバーは様々な特徴を持つ方々がいました。私は人を観察するのが好きで、チームメンバーそれぞれのユニークな良さを見つけ出すことを心がけていました。対話が途切れそうな時には、適切な人に質問を振るなど、コミュニケーションの橋渡し役を務めました。意見が行き詰まった時には、意見を統合してくれる人や面白い表現で視点をまとめる人、時には率直な意見を言ってくれる人など、様々な特徴を持つメンバーがいました。全員が親しみやすく、緊張感のない雰囲気だったことも、スムーズな協働につながったと思います。
越境サーキットが終了した後も、メンバー全員が「終わった」という実感がなく、むしろ「越境サーキットロス」のような感覚を覚えるほど、短期間に普段取り組まない企画を異業種の方と作り上げる楽しさや難しさなど、さまざまな感情が生まれ、初対面とは思えない良好な関係性から始まり、同じベクトルを向いて取り組めたことが、チームの成功につながったと感じています。
──プログラムを通じて自己理解を深めることができたと思いますか？具体的にどのような自己理解が得られましたか？
自分の強みは新たな視点や気づきを見つけ出すことだと理解を深めました。チームの皆さんから私の長所として、情報収集や分析力、自分の意見がしっかりしている点を評価してもらいました。私自身、情報を集めたり分析したりするのが好きですが、時にはその情報が膨大すぎて、何をどうしていいか迷ってしまうことがありました。そんな時、周りの意見を素直に受け入れることが成功につながると感じました。年齢によるバイアスが多少あったかもしれませんが、誰のどんな意見も受け入れることで、 自分の視野が広がることを実感しました。
この経験は今後の自分の課題であり、同時に取り組むべき重要なポイントだと感じています。
──活動中の学びを実務に応用したり、行動変容につながった経験はありますか？
越境サーキットに参加している間から、私が生き生きと活動している様子を見て、周囲の同僚たちが本業以外の何かに挑戦することに興味を持ち始めました。居心地の良い場所から一歩踏み出そうという雰囲気が広がりました。
個人的には、今回のテーマに地域貢献の要素があったことから、地元のためのボランティア活動に興味を持ちました。現在、具体的な活動を探している段階です。この変化は家族にも波及し、特に娘への影響が大きく、私が自宅で関連書籍を読んだりインターネットで調べものをしている姿を見て、娘も何かしようと考え始めました。結果として、娘はインドネシアへのSDGs短期留学に参加し、現在、定期的に地域のボランティアにも参加しています。
また、親子でボランティア団体を立ち上げることも検討し始めています。娘は高校生ですが、地元の市役所での職業体験にも応募するなど、積極的に行動を起こしています。
越境サーキットの経験を通じて、 人が変われば周囲も変わり、環境も変わるということを強く実感しました。小さなきっかけが家族の人生のターニングポイントになりました。
──このプログラムを経験したことで、自分のキャリア観や価値観に何か変化はありましたか？
現在の企業には20年勤めた後一度退職しましたが、再び今の会社に戻ることになりました。これからのキャリアを考える中、私の世代は新しい分野に挑戦するには年齢的に厳しい状況にあるのではないかと不安もありました。今回の越境サーキットに参加して、まだまだ挑戦できると感じました。今、50歳を迎えるにあたり、自分史上最高の自分になるために、バックキャスティングをしながらいろいろ学んでいます。数年後には、さまざまなことにチャレンジする必要があると考えており、同世代の人たちにも、まだまだ頑張れるというメッセージを伝えたいです。
周りの同僚からは、「いろんなことに挑戦してすごいね」と言ってもらうこともありますが、子育て中の人たちも多く、自由がきかない状況にある方もいます。日本では女性が家庭のことをすることが一般的になっているため、才能を持った人たちがもったいないと感じています。自由になった時には、諦めずにいろいろチャレンジできるようなモデルになれたらと思っています。
──異業種（違う会社の方）と交流するメリットを教えてください。
異業種との交流には多くのメリットがあります。
全く異なる業種の方々と接することで、その会社では当たり前のプロセスや用語について知らないことに気づくことができました。ミーティングの後に一人で調べてみると、理解が深まりましたし、新しい視点を知ることができ、物事を異なる角度から見る大切さに気づかされました。
また、異業種の方と接することで、自分の本業に対する感覚がバランス良くなったと感じています。
今の時代、AIを駆使することが増えていますが、私はAIに頼りすぎず自分の感覚やアイデアを大切にしたいと思っていますが、異業種の交流を通じて、その感覚をバランスよく保つことができると気づかされました。
ただ、今回はオンラインでの交流が中心だったため、皆さんとは直接お会いできなかったので、目で見たり五感で感じる雰囲気をもっと体験できたら良かったと感じています。
──あえて実践しておけばよかったことや後悔している部分があれば教えていただけますか？
リアルで参加できる企画には参加すべきだったという思いがあります。
また、越境サーキットは課題提示企業からの課題があらかじめ決まっているので、参加するのに自信がないと思っても、その課題に自分の何かを活かせる部分を探してみると良いと思います。
課題提示企業は酒造でしたが、私はお酒を全く飲めないため、お酒に関する知識がありませんでした。しかし、パーパスに関する知識を提案でき、さらに知らなかった世界を教えていただけたので、非常に良い経験となりました。
【越境サーキットとは？】
越境サーキットは、3か月間（合計20時間）、異業種混合チームでスタートアップの課題解決にチャレンジするプログラムです。越境学習のプロセスを通じて、「人と組織が変わるきっかけ」を生み出します。
詳しくはこちら：https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit
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