エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社近藤様に、複業留学についてインタビューいたしました。
受入企業
株式会社ビジョナリーエンジン
https://visionary-engine.com
──複業留学に参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
複業留学に参加が決まったとき、正直なところ、期待と不安が入り混じった気持ちでした。私は入社以来、転職を経験しておらず、今の会社しか知らないため、他の企業や業種を知ることへの期待がありました。しかし、一方で、実際に両立できるのかという不安も大きく、期待と不安がほぼ半々で、どちらかと言えば不安の方が強いくらいでした。
──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか？それは得られましたか？
参加するにあたり、私は自分の常識が会社内の常識に過ぎないことに気づき、他の業界や企業での業務の進め方や考え方の違いを学ぶことを期待していました。その期待は十分に得られたと思います。実際に、業界が変わると全く異なるアプローチや思考があることを実感し、参加して本当に良かったと感じています。
──本業での仕事内容を改めて教えてください。
私はMA部（メディカルアフェアーズ部）に所属しており、医薬品の開発と販売の橋渡しをする仕事をしています。具体的には、医師や薬剤師、その他の医療従事者と面談を行ったり、論文を読んだり、学会を取材したりしています。現在の医療現場でどのような困りごとがあるのかを把握し、自社の医薬品を通じてそれらの課題を解決できる方法を探っています。そのために、論文発表や学会発表を行ったり、医療従事者に対して適切な使用方法を啓発したりしています。
最終的には、自社の医薬品が最大限の価値を発揮できるように検討し、実行する部署で働いています。
──複業留学先での活動内容を教えてください。活動中どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか？
留学先は、ちょうど一般社団法人の立ち上げを進めているところで、私はそのためにクライアント候補となるスポンサーや企業の情報収集や分析を行いました。
また、新しく立ち上げる一般社団法人のウェブページのワイヤーフレーム作成にも携わりました。
さらに、留学先の営業用資料が更新されていなかったため、そのブラッシュアップにも関与しました。
活動の中で、私のこれまでの経験やスキルが活かせた点としては、他のメンバーとは異なる視点から提案や改善点を伝えることができたことです。特に、留学先での仕事はAIに関するものでしたが、私はAIの専門知識が全くなかったため、クライアント側の視点からAIに関する意見を発信することができたと思います。
──複複業留学で困ったことは何ですか？それをどのように乗り越えましたか？
複業留学で最も困ったことは、企業文化に慣れることでした。
会議の進め方や情報共有の方法が全く異なり、使用しているシステムも本業とは大きく異なっていました。そのため、まずはその環境に慣れることが大変でした。
また、留学先ではさまざまな業界の方と仕事をするため、幅広く情報収集をすることにも苦労しました。
さらに、本業が忙しい時期でもあったため、複業留学の活動と本業のスケジュール調整やタスク管理が難しいと感じました。
このような困難に対して、まずは留学先に慣れるために、いろいろなアプリを使ってみたり、ウェブサイトを通じて積極的に情報収集を行ったりしました。常にアンテナを高く張り、情報を集めることを心がけました。
一方で、スケジュール調整については、正直なところ、自分でうまくできた実感がありませんでした。この経験を通じて、自分の課題としてスケジュール管理やタスク管理のスキルが不足していることに気づきました。
今後は、これらのスキルを向上させるために書籍を読んだり、学んだりして身につけていきたいと考えています。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか？
本業では企業規模や製薬企業という性質上、一つのプロジェクトの企画、審議、承認、実行から終了まで慎重な判断と様々な部署の連携が必要で、時間がかかります。留学先では、チャットや30分程度のミーティングで方針が決定し、迅速にタスクが進んでいくことに驚きました。また、会議が非常にコンパクトであったことも印象的でした。本業では、会議のために参加メンバーの日程調整を行い、事前準備として会議資料を作成し、議題によっては会議が延長することもあります。留学先では、会議は参加できるメンバーで行い、Notionでタスクの担当や進捗を確認するため、会議のための資料作成がなく、時間内に会議を終了し延長することがないため、非常にコンパクトであると感じました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか？もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学前は、医薬品や医療業界に関しては自分なりにアンテナを高くして情報を集めているつもりでした。しかし、複業留学を通じて、他の業界でも自分の業界と共通する点や、医療業界で取り入れられる可能性のある新たな気づきを得ることができました。このことから、製薬業界や医療業界だけでなく、例えばAIの活用方法や新しい取り組みについても、より広く情報を探求するようになったと思います。
周りの人への影響については、最終報告会には同じ部署の人にも参加してもらい、私が留学先で学んだタスク管理や会議の進め方が非常に役立ったことを伝えました。今後はこれを取り入れたいと考えています。
また、資料作成においてもAIを活用し、ワイヤーフレームを作成したり、文章をブラッシュアップしたりする方法を学びました。これらのスキルやノウハウを本業に還元し、部署の方々にも役立ててもらえればと思っています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか？
はい、同期と同じ留学先で活動していたため、いろいろと相談し合ったり情報を共有したりすることができました。最終報告会でもお互いの気づきを共有し、同じような経験をしている部分や異なる部分について話し合うことができました。
また、他の同期は全く異なる業界での活動をしているレポートを読むことで、さまざまな業界の課題や取り組みについて理解を深めることができました。自分だけでなく他の方々の視点やノウハウも得られ、視野が広がったと感じています。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか？
留学先の代表からの評価を受けて、自分の長所や短所に気づくことができました。特に、他の人にはない観点からの提案や発言ができるという点を評価していただき、これは自分の強みであると再認識しました。
実際に本業のメンバーにも同様の評価を受けていることが多く、自分の会社を超えても価値があることを改めて理解しました。
一方で、評価とは別の点で、これまで本業での慣れや前例に頼っていた部分があることにも気づきました。留学先で資料を作成する際、本業ではもっと短時間でできることが、経験がないために時間がかかってしまったことを実感しました。この経験を通じて、他の会社に行ったときに不足している部分があることを理解できたのは大きな学びでした。
周りの方々からの評価を聞く機会があまりなかったため、留学先の代表からのフィードバックをきっかけに、他のメンバーにも意見を聞いてみたことは良い経験でした。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか？
まず、生成AIを活用して資料の枠組みを考えたり、文章をわかりやすくするための壁打ちを行いたいと思っています。これまでこのような形でAIを使ってこなかったので、本業での資料作成にも積極的に取り入れていきたいと考えています。
また、タスク管理や会議の進め方については、私一人の判断では限界があるかもしれませんが、非常に効率的だと感じました。現在の本業の部署では、各自の専門性が高いために、異なる担当者が何をしているのかがわかりにくくなっている部分があります。その結果、会議が長引くという課題も見受けられます。部署全体としてこれらの問題を改善できるような提案をしていきたいと思っています。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか？
そうですね、特に今の本業では、多くの方が入社以来ずっと同じ会社で働いていたり、転職しても医薬品関連の業界に留まっている方が多いと思います。そんな中で、今回の複業留学では全く異なる業界や規模、進め方を経験できたことが非常に勉強になりました。この経験を通じて、自分の視野や経験が広がると感じています。
ですので、ぜひ複業留学に参加してみることをおすすめします。少し自分が変わるきっかけになるかもしれませんし、新たな発見や成長のチャンスがあると思います。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。
詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。
複業留学：https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧：https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu/case/category/trainee/
複業留学 受入企業インタビュー一覧：https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu/case/category/accepting-company/