越境サーキット参加者インタビュー「異業種交流がもたらす成長:自己理解を深めた貴重な経験」

エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。
サッポロビール株式会社 嶋田 康太郎様に、越境サーキットにご参加いただいた内容についてインタビューいたしました。

課題提示企業:一般社団法人まちのtoolbox 代表理事 伊藤洋平様
参加企業:NECネッツエスアイ株式会社、コニカミノルタジャパン株式会社、株式会社オリエントコーポレーション、みずほビジネスパートナー株式会社、他
年齢層:20代~60代、40名
プロジェクト:2024年度 第6ターム(1/7〜3/27)

──「越境サーキット」に参加した動機や目的は何でしたか?

参加の理由は3つあります。まず、自分のパーソナルスキルを確認したいという思いがありました。次に、今回のテーマである「正解のない問いへの取り組み」に挑戦したいと考えました。そして、来年50歳を迎える私にとって、50代以降のキャリアに向けた準備の一環として参加を決意しました。当社では45歳以上を「ミドルシニア層」と定義しており、会社としてもこの年代層に対する課題があると認識しています。私自身もこの年代層に対する課題意識を持っていたため、越境サーキットに挑戦し、その体験を社内の45歳以上のメンバーにフィードバックすることで、会社の課題解決に貢献できるのではないかと考えました。

──プログラムを通じて得た最も価値のある学びや経験は何でしたか?

越境サーキットでは、正解のない問いに対してチームで答えを導き出すことが求められました。最終プレゼンで全8チームの発表を聞いて特に印象的だったのは、同じテーマに対する答えが全く異なっていたことです。これは参加メンバーのバックグラウンドや、チームで生み出された新しいアイデアが反映された結果だと思います。この経験から、答えは一つではないこと、そして様々な答えの中から最適解を導き出すことの重要性を学びました。

──チームでの課題解決活動の中で、特に印象に残ったエピソードはありますか?

特に印象に残っているのは、最終プレゼンの前日夜21時頃のことです。プレゼンテーション資料がほぼ完成していた段階で、定量的効果を示していないことに気づきました。30分ほど議論した結果、手持ちのデータを使って急遽効果測定を行うことにしました。
もう一つは、最終プレゼン発表の準備段階でのことです。全員で発表することになり、原稿を書くかどうか話し合いました。結果、各自が原稿を書いた上で発表の準備をすることになり、その過程で資料の流れや内容について再検討することができました。
「この部分は不要ではないか」「ここはもう少し詳しく説明した方がいい」といった具合に、最終プレゼン発表を通じて資料のストーリー作りをブラッシュアップできたのは、非常に貴重な経験でした。
最終プレゼン発表も、5分という限られた時間の中で全員が発表し、内容を的確に伝えることができたのは、印象深い経験でした。

──プログラムを通じて自己理解を深めることができたと思いますか?具体的にどのような自己理解が得られましたか?

最も大きな自己理解の機会となったのは、メンバーからのフィードバックでした。チームメンバーからのフィードバックは、越境サーキット活動期間の3ヶ月間の自分の行動が反映されたものでした。メンバーが私の行動を言語化してくれたことや、自分自身でも言語化できたことが、自己理解を深める上で非常に有効でした。
通常の業務では、ある程度ゴールが見えている中でのアクションが多く、「こうした方がいい」といった改善点を指摘されることが多いので、今回のようなポジティブなフィードバックは、普段の会社生活ではなかなか経験できない新鮮な体験でした。

──活動中の学びを実務に応用したり、行動変容につながった経験はありますか?

私たちのチームではAIツールを積極的に活用し、情報収集などに役立てました。
この経験を活かし、実務でもAIツールを使うようになりました。
また、プロジェクトの進め方にも変化がありました。
これまでは完成度の高いものを提示したいという思いがありましたが、ある程度の完成度でリリースし、みんなで意見を出し合いながら改善していく方法を取り入れました。抽象的なものを具体化するプロジェクトでは、みんなで作り上げていくプロセスが重要です。これには心理的安全性が不可欠だと思います。
今回の越境サーキットでは、メンバー間で心理的安全性が確保されていたため、お互いの意見を素直に言い合えました。批判されることを恐れず、他人の意見を受け入れやすい環境の重要性を学びました。

──このプログラムを経験したことで、自分のキャリア観や価値観に何か変化はありましたか?

自分の強みがはっきりと認識できるようになりました。
越境サーキットを通じて、全体をコーディネートする能力や、メンバーの意見を丁寧に聞いてまとめる推進力を意識的に磨いてきました。その結果、 自分の強みが明確になったと感じています。
越境サーキットで得た経験を、自社の45歳以上のメンバーに報告会を開催しました。参加者の反応は非常に興味深く、「こんなプログラムがあったのか」と驚く声や、「参加したい」といった意見がありました。また、他流試合の重要性についても共感を得ることができました。
私は、今後の働き方が多様化する中で、会社に依存しない生き方が増えていくと考えています。副業を通じて、自分の好きなことを追求することができる環境も同時に整えたいと思っています。

── 異業種(違う会社の方)と交流するメリットを教えてください。

異業種交流の最大のメリットは、他者の意見をフラットに受け入れることで、新しい発想が生まれる点だと思います。
社内では意見を言うことに対して評価が分かれることが多く、オープンに受け入れられないケースがあるかもしれません。しかし、異業種の方々との交流では、全く異なる視点からの意見をフラットに受け入れることができるため、新たな発想が生まれやすいと感じました。議論が白熱する中で「どちらが正しいか」というリベートが行われることが多いですが、そうした環境に慣れてしまうと、新しい視点を得ることが難しくなります。
異業種交流では、そうした固定観念から解放されることができるのが魅力だと思います。失敗を恐れず、周りと違った意見でも良いという考え方があると、挑戦しやすくなります。失敗を固執するのではなく、そこから学びを得ることが大切だと思いました。

──あえて実践しておけばよかったことや後悔している部分があれば教えていただけますか?

現地視察ができなかったことが心残りです。交流会には参加できたので、チームメンバーと対面での交流は叶いましたが、スケジュールの都合で実際に現地を見て感じることができなかったのは残念でした。
オンラインでの研修だったため、場所の制約がなく、利便性・参加しやすさも感じました。一方で、各チーム対面の機会を別途作られているところもあり、リアルを欲している、リアルの大切さも改めて体感できました。

【越境サーキットとは?】
越境サーキットは、3か月間(合計20時間)、異業種混合チームでスタートアップの課題解決にチャレンジするプログラムです。越境学習のプロセスを通じて、「人と組織が変わるきっかけ」を生み出します。
詳しくはこちら:https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit

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