越境サーキット導入企業インタビュー「社員のエンゲージメントを高める越境サーキットの効果」

エンファクトリーが提供する「越境サーキット」は他社のメンバーとチームアップし、スタートアップ企業のリアルな課題に対して、ヒアリング・仮説・提案を3ヶ月を1タームにして行う越境・対話型オンライン研修です。
サッポロビール株式会社 人事総務部 間瀬秀樹 様に、越境サーキットを導入していただいた背景についてインタビューいたしました。

■導入企業
サッポロビール株式会社
人事総務部
間瀬 秀樹 様

──「越境サーキット」の導入に至った経緯(目的・狙い)を教えてください。

越境サーキットを導入することになった背景には、一昨年のポストオフでの役職変更があります。それまで営業部門での経験しかなかった私が人事部門に異動し、新たな挑戦を始めることになりました。
最初はさまざまな業務をこなしながら、周囲の方々から非公式に相談を受けることが多くありました。相談者は私より少し年上の方や、同い年、さらには若い世代の方々でした。
相談内容は、ポストオフ制度や継続雇用、退職に関する質問、さらにはマネープランに関することまで多岐にわたりました。これらの相談を通じて、特にシニア社員の活躍を支援する必要性を強く感じるようになりました。
前任者からの情報で、越境的なプログラムが展開されていることを知り、インターネットでさらに情報を調べた結果、越境サーキットに興味を持ちました。
私たちの世代は、入社から定年まで同じ会社で働くことが一般的でした。しかし、現在の時代は多様なフィールドが存在し、社外での挑戦も容易になっています。それでも、実際に社外に出ることには大きなハードルがあると感じています。
そこで、越境サーキットを通じて、普段の居心地の良い環境から一歩踏み出す経験が必要だと考えました。
私自身も越境を体験するセミナーに参加した経験から、社内の常識が他社では全く異なることを実感し、越境という概念がより身近なものになると感じています。
越境サーキットを通じて、ミドルシニア世代だけでなく、全世代にわたる社員が新たな視点を得ることができると期待しています。異業種の方々と交流することで、これまでの常識を覆すような発見があるかもしれません。こうした経験が、社員一人ひとりの成長につながることを期待して導入に至りました。

──導入後、どのような成果や変化を実感または期待していますか?

越境サーキットを導入した背景には、現在の人材ニーズがあります。特に、私の職務がミドルシニア社員の活躍支援に特化しているため、45歳以上の方々を対象にしたプログラムとして導入しました。その結果、参加者から非常に好評を得ることができましたが、実際には40代や30代の方々にも広く参加していただきたいという声も多く寄せられました。
参加者の中には、自分の力を試したいという方や、普段とは異なる世界を覗いてみたいという純粋な好奇心を持った方もいらっしゃいました。また、普段の仕事を通じて得た経験を今後の業務にどう活かすかを考えるきっかけにもなったようです。特に、スタートアップ企業や中小企業と関わる中で、自分がどのように成長できるかを考える機会となりました。
越境サーキット導入後に期待していることは、参加者が社外に向けて一歩踏み出すことで視野を広げることです。また、その経験を社内で活かし、今の仕事に役立てていくことも重要です。さらに、副業などを通じて自分の人生やキャリアを多様化するためのきっかけにもなればと考えています。
実際に、参加者からは社内での経験を通じて多くの気づきを得たという声が上がっています。これらの気づきを今後の仕事に活かしたいという意欲も感じられました。社内では、参加者同士がコミュニティを作り、感じたことや疑問を共有しながら進めています。これにより、互いに刺激を受け合い、成長を促進しています。
コミュニティに関しては、参加者がそれぞれの経験を持ち寄り、意見交換を行う場として機能しています。例えば、参加者同士での打ち上げや感想の共有を行い、どのような取り組みがあったのか、今後どのように進めていくかを話し合っています。北海道から九州まで、さまざまな地域のメンバーが集まっているため、オンラインでのコミュニケーションも活発に行われています。このような活動を通じて、若い世代の方々にもぜひこのプログラムを広めてほしいという声をいただいています。越境サーキットが、参加者の成長に寄与し、さらなる挑戦を促す場となることを期待しています。

──導入にあたっての課題や困難はありましたか?それをどのように克服しましたか?

越境サーキットの導入企画自体は、社内でスムーズに進みました。私たちが「リアルスター世代」と呼ぶ40代、50代、60代の社員に対して、活躍の場を提供することは、会社にとっても重要な課題です。そのため、経営陣もこの取り組みを支持してくれました。
しかし、社内での告知方法には悩みました。私たちの会社では全社員に一斉メールを送ることが禁止されているため、どのように情報を広めるかが課題となりました。最終的には、社内ウェブサイトを利用して45歳以上の社員に向けた案内を行いました。
ただし、ウェブサイトを閲覧する社員が限られているため、私は人事部のキャリア形成グループに登録している方々に情報を流したり、セミナーの受講生にフォローアップのメールを送ったりすることで告知を行いました。参加者からの反応は思ったよりも早く、好意的でした。
実は、越境サーキットを導入する前に別の試みを行ったことがあり、その経験が今回の参加者の反応に影響を与えたのかもしれません。前回は人数が限られていたため、十分な参加者を確保できなかったのですが、今回は新たなスキームを案内したことで、早くから手を挙げる方が多かったです。

ただし、社外に挑戦することに対する敷居の高さを感じている方も多かったようです。「失敗したらどうしよう」といった不安から、エントリーをためらう方もいらっしゃいました。そうした方々には、参加者からの感想や体験談を共有することで、安心感を持ってもらえるよう努めています。
実際に「このプログラムはどういうものですか?」といった問い合わせをメールでいただくこともありました。そういった相談を通じて、参加を迷っている方々が少しずつ前向きになっているのを感じています。

──越境サーキットを利用した社員の成長やキャリア開発について、どのように感じていますか?

越境サーキットに参加された社員は、このプログラムを通じて社内では得られなかった新しい視点やツール、考え方を学んだと感じています。具体的には、参加者はまるで新しい知識のシャワーを浴びたかのように、さまざまな情報を吸収し、実際にそれを使ってみることで新たな武器を手に入れたという声が多く聞かれました。
また、参加者同士の人脈も大きな成果の一つです。異業種の方々とリアルに会って情報交換をすることで、コミュニケーションが生まれ、ビジネスの幅が広がりました。こうした人脈は、社内では得られない貴重な情報源となっています。会社としては、参加者に対して定期的に「どのような変化がありましたか?」といったフィードバックを求めています。
ただし、参加したからといって、具体的な成果をいつまでに求めるということは考えていません。重要なのは、参加者一人ひとりのパフォーマンスやキャリア形成にどのように寄与できるかという点です。参加者が得た知識や経験が今後のキャリアにどうつながるかを重視しています。
定期的に行うアンケートでは、参加者が「どのような点が良かったか」や「その後、何か行動に変化があったか」といった質問をしています。また、参加者からの要望や新しいプログラムの提案も受け付けています。これらのフィードバックをもとに、次の施策を考える材料にしています。

──今後、越境サーキットをどのように活用していきたいと考えていますか?

まず、参加者に新しい経験を積んでもらうことが重要だと考えています。社内では得られない空気や考え方に触れることで、社員の仕事の幅や可能性を広げることができると思います。これが第一の目的です。
さらに、社外にはまだまだ多くの魅力的なフィールドが存在します。そうした可能性を知ることなく過ごすのではなく、社員が一歩踏み出すきっかけを提供したいと考えています。越境サーキットを通じて、挑戦するための支援を行い、社員一人ひとりの武器となることを目指しています。
実際に、今回の越境サーキットに参加した方の中には、すでに副業を実践されている方もいらっしゃいます。参加後の座談会では多くの方が副業に対する関心を示していました。参加者は、今回の経験を通じて副業を身近に感じ、具体的にどのように申請すればよいか、どのような仕事が適しているかといった話題が出ていました。
このように、越境サーキットを通じて得た知識や人脈が、実際に副業を始める際の大きな助けとなることを期待しています。参加者同士のコミュニケーションが活発になり、相乗効果が生まれていると感じています。
今後は、越境サーキットを通じて得た経験をさらに多くの社員に広めていきたいと考えています。特に、参加者が得た知識や人脈を社内で共有し、他の社員にも刺激を与えることで全体の活性化を図りたいと思っています。また、参加者が自分のキャリアを自ら切り開くための支援を続け、より多くの社員が新たな挑戦をする環境を整えていくことが重要です。

──越境サーキットの導入を検討している企業に対して、アドバイスやメッセージはありますか?

私たちの経験から言えることは、社外に目を向けることの重要性です。これまで、企業は社外での活動にあまりフォーカスしてこなかったかもしれませんが、今の時代ではその支援が必要です。社員に社外で活躍できる場を提供することは、企業にとっても大きな原動力をもたらします。
実際に、越境サーキットに参加した社員たちは全員が「やってよかった」と感じており、彼らの経験が今の仕事にプラスの影響を与えています。私たちの会社にとって、デメリットはほとんど感じておらず、むしろメリットしかないと実感しています。
社員が新しい経験を安全に積むことができる機会は、非常に価値があります。
参加者は、会社がこのような機会を提供してくれたことに感謝しており、その感謝の気持ちがエンゲージメントの向上につながっています。
参加者の中には自分の体験を社内で共有する人も多く、説明会や報告会を開いてくれる方もいます。
これにより、他の社員にも刺激を与え、会社全体の活性化に寄与しています。越境サーキットを通じて得た経験や知識が、社員の行動を促し、社内でのコミュニケーションを活発にするきっかけとなっています。こうした相乗効果が、企業文化の向上にもつながると考えています。越境サーキットは、社員にとって新しい挑戦の場であり、成長の機会を提供します。
企業としても、社員が外部での経験を通じて得た知識や人脈を活用することで、組織全体の成長につながると信じています。ぜひ、このプログラムを導入して、社員の成長を支援していただきたいと思います。

【越境サーキットとは?】
越境サーキットは、3か月間(合計20時間)、異業種混合チームでスタートアップの課題解決にチャレンジするプログラムです。越境学習のプロセスを通じて、「人と組織が変わるきっかけ」を生み出します。
詳しくはこちら:https://life-design.enfactory.co.jp/ekkyo-circuit

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