エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション 恩田様に、複業留学についてインタビューいたしました。
株式会社みんなのまちづくり
https://minmachi.co.jp
──本業での仕事内容を教えてください。
現在、本社のオペレーション企画部という部署に所属しています。この部署は、管轄する事務処理センターの運用企画や、業務支援を行う役割を担っています。私の具体的な担当業務としては、グループ内の人事総務経理といった事務処理や、それらに使用するシステムツールに関わる部分、また業務を委託している先の所管作業などを担当しています。日々の業務を通じて、社内のオペレーションを円滑に進めるための重要な役割を担っていると認識しています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
今の部署に来てから14年ほどが経ちます。同じ業務内容をずっと担当しているわけではなく、業務自体は年々変化していますが、やはり一つの部署に長く居続けることで、どうしても自分の視野が狭くなっているのではないかという危機感を感じていました。 また、当社も従来の事業に特化するだけでなく、新しい事業にも手を広げようという方向に向かっていますが、現状の部署にいるだけでは、そういった新しい分野に深く関わることが難しいと感じていました。 そこで、新しい事業に関わっていくために必要な技術や知識を、自分自身の内側に取り込みたい。そして、異業種の企業で勉強し、この機会を通じて自分自身を変えたいという強い思いから、今回複業留学に応募することを決意しました。視野を広げ、新しいチャレンジをしたいという気持ちが大きな原動力となりました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
私は「みんなのまちづくり」という企業で、地域復興事業の一環として活動しました。具体的には、長野県佐久市にある移住者専門団地内の不動産会社「ホシノマチ不動産」(https://re.hoshinomachi.jp/)の事業支援に携わらせていただきました。 主な活動内容としては、空き家の募集を行うためのチラシ作成、不動産で働くスタッフへのインタビュー記事の作成、そして新しく開設したInstagramの投稿の基礎を作成するといった業務を担当しました。 正直なところ、これまでの業務経験の中で「これが直接的に活かせた」と具体的に言えるスキルを見つけるのは難しかったです。しかし、空き家募集チラシの作成やその構成を考える際など、細かく要素を分解していく作業においては、以前に受講していたロジカルシンキングの研修で学んだノウハウが、事業を進める上で少しは活かせたのではないかと感じています。畑違いの業務でも、思考の枠組みが役立つことを実感できました。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
複業留学で最も困ったことは本業との兼ね合いでした。留学を始めた時期は、本業の仕事が比較的緩やかな時期だと見込んでいたのですが、予期せぬ出来事によって本業が非常に忙しくなってしまいました。 当初は週に1回、複業日を確保し、その日は留学先の業務だけに集中する予定でした。しかし実際には、留学先の業務が終わった後に本業の仕事をさらに2時間ほど行う日が重なることも多く、特に7月は残業時間が大幅に増えてしまいました。 業務効率を上げる努力はしましたが、留学先の業務は自分にとって全く知識のない分野が多かったため、とても片手間では対応できませんでした。そこで、乗り越えるために工夫した点は、自己学習の時間を確保したことです。自分で時間を見つけてオンライン講座を受講するなどし、必要な知識を事前にしっかりと身につけてから業務に臨むようにしました。知識を補強することで、多忙な中でもなんとか両立を進めることができました。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
留学先で一番驚いたのは、留学先の代表の方のものすごい提案力でした。代表は「こういうことをやりましょう」「これをやりたいです」といった形で、様々なアイデアを次々と生み出し、具体的に説明してくださるのですが、その発想力には「すごい」と常に驚かされました。 特に印象的だったのは、私のようなメンバーの小さな発言や気づきからも、「じゃあこういうことになりますか?」と、あっという間に事業展開へと結びつけていくところです。そのスピードとひらめきは本当に素晴らしいと感じました。 また、留学先には地域の行政の方々、地元の建築会社の社長さんなどの有力者、移住者、そして以前複業を経験したプロボノのボランティアの方など、本当に多様な方が関わっています。使える人材や資源は何でも活用して、事業を進めていこうという自由な姿勢は、私たちの会社にはない大きな違いだと感じ、とても刺激を受けました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学を経験して、自分自身の中で大きな変化が生まれたと感じています。
一つ目は、これまで全く関わりのなかった不動産の仕事に携わったことで、世の中の「見方」が変わったことです。例えば、ポストに入っている不動産の広告や、不動産会社がどんなSNSを発信しているのかを、「ああ、こういうものを打ち出して広告を作るんだな」という視点で意識的に見るようになりました。これは自分の中で小さなようでいて、非常に大きな変化だと感じています。
二つ目は、畑違いの業務に携わる面白さを実感したことから、新しい技術をより積極的に取り入れたいというマインドにシフトしたことです。以前から生成AIなどは使っていたのですが、今回の経験を通じて「こういう使い方があるんだ」と気づき、困った時に「まず使ってみよう」という発想が生まれるようになり、結果的に使う機会が増えました。
周りのメンバーについては、まだ複業留学の経験者が少ないため、「どうだったの?」と興味を持って尋ねてくれる人が多いです。私は「すごくい経験ができるよ」と積極的に話しているので、周りの人がもっと応募するきっかけになれば良いなと思っています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期との関わりは非常に大きな学びの機会となりました。特に最初のワークショップで同じグループでディスカッションを行った、同世代のメンバーとは、深い繋がりを持つことができました。 同世代だからこその「こういう風に考えているよね」といった共感を得られた一方で、「こういう風にも考えられるんだ」という異なる視点からは、非常に良い刺激をもらうことができました。 また、お二人のレポートや他の同期の方々のレポートを読むことも、自分の活動にとって大きな影響がありました。レポートを拝見するうちに、「自分も頑張らなければ」という気持ちになり、それが活動を推進する上での励みとなりました。同じ会社の中でも部署や業務内容が異なると、普段なかなか接点を持てないのですが、複業留学という機会を通じて、互いの活動や悩みを共有し合える関係を築けたことは、非常に貴重だったと感じています。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
留学先の代表から、思いがけず高い評価をいただき、本当に驚きましたし、心から嬉しく思いました。 特に、私が提出した課題などに対して、代表が「こういう風に見てくれていたんだな」と感じたことがありました。自分としては、時間をかけて取り組んではいたつもりですが、そこまで高く評価していただいていたことは、自分自身にとって新たな発見となりました。社外の第三者からの客観的な評価は、今後のキャリアや仕事に取り組む姿勢を考える上で、非常に有意義な機会になったと感じています。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今回の経験は、今後様々な形で活かしていきたいと考えています。まず、会社内で社内副業という制度ができましたので、社外での経験を活かして、社内の他部署の業務支援に携わる機会があれば、積極的に参加したいと思っています。 また、以前から「キャリアは自分で描いていくべき」という考え方へのシフトをどう実現できるか模索していましたが、今回の複業留学を通して、「ああ、こういうことなんだな」というキャリア自律の考え方がなんとなく掴めた気がしています。 現時点では、自分の得意分野や「武器」がまだ明確に見えてはいませんが、今後は今回の経験で得た視点を活かして、多様な物事に目を向けるようにし、自分の可能性をどんどん広げていきたいと思っています。このチャレンジ精神を大切にし、自身の成長を意識しながら仕事に取り組んでいきたいです。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
ほかのメンバーに複業留学を勧めるなら、「会社にいるだけだと、本当にいろいろな経験ができないから、ぜひおすすめしたいです」と伝えます。 この経験は、単に新しい業務知識を得るだけでなく、自分自身を見つめ直すための非常に良い機会となります。異なった環境で自分のスキルや経験を試すことで、新しい気づきや成長につながるはずです。 新しい経験をするだけでなく、それを通して「自分自身をよく知る」ことができる時間になると思います。興味があるなら、まずは一歩踏み出して社外に出てみる経験が、今後のキャリアにおいても非常に価値のあるものだと感じています。
【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
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