複業留学体験レポート「他社の動きに目を向けるきっかけとなった複業留学:コミュニケーションの重要性を再認識」 

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社大槻様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業 
株式会社Figurout 
https://figurout.co.jp

──複業留学に参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。 
複業留学への参加が決まった時、他の企業に「留学する」という形で新しい経験を得ることができると知り、興味が湧きましたが、他の会社に行くということに対しては、少し不安を感じました。 ただ折角の機会ですので、今までの経験を新しい環境で試すことができるのは、非常に貴重なチャンスだと思います。新しい環境で本当にやっていけるのか、業務との兼ね合いはどうなるのか、そんなことを考えながら参加を決めました。 

──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?それは得られましたか?  
複業留学は、私にとって非常に貴重な機会だと感じていました。おそらく、弊社の全員が経験できる研修ではないため、何かフィードバックできるような知見を持ち帰れればと思いました。 新しい環境を知るためには転職が必要ですが、このプログラムでは現在の仕事を続けながら、別の仕事を体験できるという点が魅力的でしたし、非常に良い機会だと思いました。 
私が選んだ留学先は、IR(インベスター・リレーションズ)活動の支援ツールを提供しているスタートアップ企業でした。IRについては、これまで別の部門の仕事として外から眺めるだけでしたが、留学先においては、企業のIR活動を支援するツールをどのように改善していくか、またどのようなツールがIR活動の現場で求められているかなどを実際に留学先のメンバーと議論することで、自社のIR部の仕事についても理解が深まったように思います。自社が行っていることを外から見て理解することができ、他社がどのようにアプローチしているのかも学ぶことができました。 
この経験を通じて、IRの活動についてより具体的に理解できたことは、社内のコミュニケーションにもつながったと感じています。副次的な効果ではありますが、非常に良い経験だったと思います。 

──本業での仕事内容を改めて教えてください。 
現在、私は親会社である大塚ホールディングスの財務会計部に所属しています。主に財務関連の業務を担当しており、具体的には、資金に余剰がある会社から資金が必要な会社へ、どのように資金を移動させるかを検討するとともに、株主還元政策を含む資金のアロケーション(配分)をどのように行うか、またその資金調達やプロセスをどのように最適化するかを考えることが私の主な業務です。 これらの業務を通じて、企業全体の財務戦略に貢献できるよう努めています。 

──複業留学先での活動内容を教えてください。活動中どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか? 
複業留学先では、二つの主要なミッションを担当しました。一つ目は、主力製品である「Hooolders Analytics」という上場企業向けIRダッシュボードサービスの機能改善に関する提案を行うことでした。具体的には、ある機能の利用シナリオの検討や、実際の事業会社での利用において改善が必要な点を洗い出し、提案を行いました。 
二つ目のミッションは、Hooolders Analyticsのメインユーザーである時価総額千億円未満の企業に対して、このツールの浸透を図る営業企画を行うことでした。 
私が所属している大塚ホールディングスを含む企業が、どのようにこのツールを活用できるかを考え、営業戦略を立てました。 
これらの活動の中で、私のこれまでの経験やスキルがどのように活かされたかというと、一つ目のミッションでは、事業会社での財務業務で培ったノウハウが非常に役立ちました。資料作成や提案、指標のモニタリングなど、これまでの業務の延長線上でフィードバックできたと感じています。 
営業企画に関しては、これまでの経験があまりなかったため、新しい挑戦でしたが、自分で主体的に取り組む姿勢や忍耐力が活かせたと思います。隣の部署のIR部門の方々にヒアリングを行い、どのような課題があるのかを理解しながら、自社がこのツールを導入するための施策を考えることに取り組みました。 
このように、自分のアイデアをもとに企画を進めることで、主体性を持った取り組みができたと感じています。 

──複業留学で困ったことは何ですか?それをどのように乗り越えましたか? 
ミッションの一つである営業企画の取り組みに苦労しました。自社ではそのような業務を過去行ったことはなく、何から手をつけていいか最初は戸惑いました。 大塚ホールディングスのIR部のメンバーに実際に留学先が提供するツールを利用してもらい感想をもらうところからスタートしましたが、営業企画に活かせるような情報収集ができなかったことも苦労した点です。 
この困難を乗り越えるために、留学先での定例ミーティングなどで議論、相談をしながらミッションの進め方を調整し、どのようにすれば有用な情報を入手できるかを検討しました。その後、予め知りたい内容を一覧にまとめ、それを基に大塚ホールディングスのIR部のメンバーにヒアリングを行ったところ、Hooolders Analyticsのクリアすべき課題や方向性が見えてきたように思います。 
実際にこのヒアリングで得た情報をフィードバックした際には、留学先のメンバーも大変関心をもっておられたように思いますし、この取り組みによりミッションの成果物もより良いものになったように思います。 

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか? 
留学先で最も驚いたのは、正社員が少なく、外部委託の方が多いという点でした。自社ではほとんどが正社員であり、同じ研修や企業理念を共有してきました。しかし、留学先では一緒に活動していたほとんどの方が正社員ではなく、異なるバックグラウンドを持つ外部委託の方やパートナーの方々でチームが構成されていました。スタートアップ企業では一般的なことかもしれませんが、私としては初めての経験で驚きました。チームとして目指すべきゴールを共有し、どのような立場の方とも分け隔てなく接することができたことはとても良い経験だったと思います。 

──複業留学の前後で何が変わりましたか?もし、周りの人への影響があれば教えてください。 
複業留学を経て、私自身にいくつかの変化がありました。まず、IR(インベスター・リレーションズ)に対する理解が深まりました。留学先での経験を通じて、IRの活動がどのように行われているのかを実際に知ることができ、これまで以上に他社の動きにも関心を持つようになりました。特に、IRの視点から他社の活動を見ることができるようになったのは大きな変化です。 
また、コミュニケーションの重要性を再認識しました。在宅勤務が続く中で、自社においてはリモートでのコミュニケーションが楽だと感じていた時期もありました。しかし、実際に複業留学を通じて対面で留学先のメンバーと直接話す機会が少なかったため、社員同士の関係性の構築や効果的な対話を実現するには、対面でのコミュニケーションが重要であることを改めて実感しました。そのため、自社では会社に出社する回数が増え、対面でのコミュニケーションを大切にするようになりました。これにより、業務がやりやすくなる場面も増えたと感じています。 
リモートでの複業留学を経て、対面でのコミュニケーションの大切さを再確認し、これを新しいステップとして捉えています。 

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか? 
そうですね、同期との関わりを通じて多くの学びがありました。ミートアップには参加できなかったのですが、他の同期の方々がどのような苦労をしているのかをレポートなどを通じて知ることができました。 
私は自分の仕事に近い分野での留学先を選んだため、比較的スムーズに取り組むことができましたが、全く異なる分野に挑戦している同期もいて、その姿勢には感心しました。 
彼らが直面している課題や、それを乗り越えるための努力を知ることで、自分自身も刺激を受けました。 
また、同期がどのように成果を上げたり、気づきを得たりしているのかを知ることができたのは非常に貴重な経験でした。彼らの取り組みやレポートを通じて、異なる視点やアプローチを学ぶことができ、私自身の成長にもつながったと感じています。お互いの活動を共有することで、より広い視野を持つことができたと思います。 

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか? 
評価を受けた際、非常に嬉しかったです。第三者からのフィードバックは、自分の努力が認められたと感じる瞬間でもあり、モチベーションが高まります。 
一方で、自分自身に対する評価は厳しくなりがちな部分もあると思います。その中で、他者からの評価を受けて、部分的には自分に自信を持って良いところもあるのかもしれないと気づきました。 
他者の意見を参考にしつつ、自分自身の成長を実感できるように心がけたいと思います。評価を受けたことを一つの糧として、今後も自分を磨いていきたいです。 

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか? 
複業留学での経験を通じて、特にフラットな議論の重要性を実感しました。意見を自由に出し合うことで、多様な視点が得られる一方で、議論が発散しやすいという側面もあります。 
しかし、そうした環境で意思決定を行うことは、非常に価値のある経験だと思います。今後、私がマネージャーになった際には、このフラットな議論のスタイルをチーム作りに活かしたいと考えています。チーム内での意見交換を促進し、正社員や派遣社員、外部のメンバーを問わず、誰もが気軽に意見を出せる場を作ることができれば、より良いアウトプットが得られるのではないかと思います。 
また、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、より創造的な解決策が生まれる可能性も高まります。そうした環境を整えることで、チーム全体のパフォーマンスを向上させられると信じています。複業留学で得た経験を基に、今後のキャリアに活かしていきたいと思います。 

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか? 
そうですね、まずは「気負わずに挑戦してみてほしい」と伝えたいです。複業留学は、興味のある会社や分野に触れる良い機会ですので、自分が本当に興味を持っているところに行くのが一番だと思います。たとえ成果が出なかったり、うまくいかないことがあったとしても、興味を持って参加したからこそ得られるものがあるはずです。 
また、三ヶ月という短い期間での経験なので、失敗を恐れずに挑戦してみることが大切です。この機会は誰にでもできるものではないので、ぜひ楽しみながら、自分のペースで取り組んでみてください。興味を持って参加することで、きっと有意義な経験になると思います。 


エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。
詳細については、ぜひサービス一覧ページをご覧ください。

複業留学:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku
複業留学 留学生インタビュー一覧:https://enfactory.co.jp/ekkyo-gakushu/case/category/trainee/
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