エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社伊藤様に、複業留学についてインタビューいたしました。
受入企業
テックマネッジ株式会社
https://www.tech-manage.co.jp
──複業留学に参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
参加が決まった時、「面白そうだな」と感じました。会社から提供された一年間の研修プログラムの中で、さまざまなカリキュラムが用意されていましたが、中でも特に「複業留学」が一番面白そうだと思いました。
──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか？それは得られましたか？
私は外の世界を見てみたいという思いが強く、どのように自分が外で動けるのかを試す良い機会だと思いました。 ある程度の成果を出さなければならないというプレッシャーもありましたので、少し本業に関連する業種を選びました。規模やメンバー構成が全く異なる環境で経験を積むことができたので、非常に貴重な学びがあったと思います。新しい視点や知識を吸収できたことに感謝しています。
──本業での仕事内容を改めて教えてください。
私の本業は、医薬品の安全な使用を目的とした業務です。具体的には、安全性に関する情報を収集し、評価することに従事しています。このプロセスを通じて、医薬品が適切に使用されるための基盤を築くことを目指しています。
──複業留学先での活動内容を教えてください。活動中どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか？
留学先で新規事業として始まったスカウティング業務に参加しました。このサービスは、委託元の企業が求める技術情報を収集し、それを一覧化して企業に提供するサービスです。私の主な役割は、その情報を整理する作業と、新規事業における課題を把握し、解決策を提示することでした。
活動中に活かせたスキルとしては、社内でのジョブローテーションを通じて培った柔軟性が挙げられます。新しい業務に短期間で適応しなければいけないことが多かったため、社外に出てもそのスキルを活かすことができたと感じています。
また、課題が発生した際にその解決策を考えることが苦ではない性格であり、これも本業での経験を通じて活かせた部分だと思います。問題解決に対するアプローチを楽しむことができたのは、大きな成果の一つです。
──複業留学で困ったことは何ですか？それをどのように乗り越えましたか？
留学先のサポートが十分であったため、特に困ったことはありませんでしたが、強いて言えば、本業との掛け持ちが体力的に厳しかったことです。 新しいことを学ぶ必要があり、業務自体を覚えて更に課題解決しなければならなかったため、頭のキャパシティが求められました。その結果、本業のことを忘れないよういつも以上にタスク管理を徹底しました。すべてのタスクをカレンダーに記録するという基本的な対策を実施し、乗り越えることができました。
また、複業留学期間中、本業が不在の間、他のメンバーがサポートしてくれることも大きな助けになりました。
ただ、業務が減るわけではないので、結局は終わった後にタスクをこなすことになり、体力的にはしんどい部分もありました。 それでも、周囲のサポートを受けながら、何とか三ヶ月間を乗り切ることができたと感じています。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか？
個々の社員が目標を持っていないことに驚きました。あえて目標を設けなくても、会社の目標に向けて各自が何をやらなければいけないか考えて動くことができるのは、個々の能力や自立性が高いだけでなく、チーム構成がバランスを取れていて、安定感があることに起因しているのではないかと感じました。
また、本業では、特にリモート会議において全員が積極的に意見する場を作ることが難しいと感じていますが、留学先ではリモート会議でも多くの意見が交わされ、全員で活気あふれる場を作れていて、違いを感じました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか？もし、周りの人への影響があれば教えてください。
まだ大きな変化があったとは言えませんが、私自身が他者を理解することができたと感じています。現在、チーム内にはいくつかの課題があり、その問題を少し見えるようになった気がします。
採用に関する問題については、私一人では解決できないことも多いと実感していますが、少なくとも私ができることとして、メンバーの育成や会議の雰囲気作りに着手することができると思っています。
周りの人への影響はまだ小さいかもしれませんが、自分が変わることで、チーム全体に良い影響を与えられるよう努力していきたいと考えています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか？
そうですね、私は比較的サポートが充実した留学先に参加できたので、恵まれた環境だったと思います。しかし、同期の中には独力で業務を進めなければならない方も多く、その苦労を見聞きすることで、私自身の環境が恵まれていることを再認識しました。
同期がそれぞれの課題に取り組んでいる姿を見て、ホッとしたり、感謝の気持ちが芽生えたりしました。
また、異業種にチャレンジしている同期のレポートを見て、同期の勇気ある挑戦に感銘を受けました。転職する際には、同じ業界に行くことが多いと思いますが、同期は全く違う業界に挑戦しているので、非常に貴重な経験をしていると感じました。そうした経験は、他では得られないものだと思います。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか？
高評価をいただき、とてもありがたく思います。私のコミュニケーション力についても言及していただきましたが、留学先の方々は皆さんコミュニケーション力が高く、仕事に対する自立した姿勢を持っていると感じました。そうした方々に温かく受け入れていただき、育てていただけたからこその結果だと思っています。
周りの方々とすぐに馴染むことができたのは、留学先のみなさまのサポートがあったからだと感じています。中にはなかなか一歩を踏み出せない方もいるかもしれませんが、私がこの環境に入れたことは、自分自身の成長にもつながったと思います。自分を褒めることも大切だと思うので、これからも自信を持って取り組んでいきたいです。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか？
まず視野を広げることができたと感じています。この経験を通じて、新しいアプローチを試みたいと思っています。特に、留学先の皆さんが一人一人プロフェッショナルで自立している姿勢は、私にとって大きな学びでした。
また、チーム構成も重要で、役員や経験豊富なメンバーが多くいる環境は、チーム全体の能力を引き出すために大切だと感じました。これからは、そうしたチーム全体の能力を引き出すような働きかけをしていきたいと思っています。
さらに、活発な議論が行われていることも印象的でした。顔を出すことや意見を言うことは簡単ではありませんが、課やチーム単位など小さなところから進めていければと思っています。
会議に臨む際には、緊張感を持って参加することが大切だと感じています。顔を出すことで、より真剣に聞く姿勢が生まれ、意見を言いやすくなると思います。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか？
複業留学をおすすめする際には、まず「自分がお客様ではなく、留学先企業の一員として積極的に取り組むことが大切だ」と伝えたいです。自分で決めて進めていく気持ちを持つことが重要です。
また、複業留学期間中は学ぶ姿勢を忘れずに持ち続けることも大切です。積極性を持ちながらも、相手とのバランスを考え、行き過ぎないように気をつけることが、ミッションを進める上でやりやすくなると思います。
このような姿勢を頭の片隅に置いておくことが、成功につながるのではないかと思います。私自身も、でしゃばりすぎず、でも積極性を持つことのバランスが難しいと感じていますが、そのバランス感覚を大切にしていきたいです。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。
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