複業留学体験レポート「アバターが行き交う異世界で、走りながら意思決定するベンチャーのスピード感を吸収」

複業留学 越境経験者

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 伊豆本様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業

MyDearest株式会社
https://mydearestvr.com/

──参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
率直に言って、楽しみと不安が入り混じった気持ちでした。まず、自社で働きながら全く別の会社で業務を経験できる機会など滅多にないため、率直に「どんな会社に行って、どんな業務を経験できるのだろう」とワクワクする気持ちがこみ上げてきました。転職でもしない限り味わえない、非常に珍しくて面白いチャンスだと感じたのです。
しかしそれと同時に、不安も抱えていました。当時、本業の業務が立て込んでおり、週に一日現場を抜けることで、周りのチームメンバーに迷惑をかけてしまうのではないか、という懸念があったからです。本業と留学先の活動を両立させ、周囲に負担をかけずに進めることができるかどうか。期待に胸を膨らませつつも、両立への不安は感じていました。

──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?また、それらは得られましたか?
本業でチームリーダーを務めているものの、自分の発信力や決断力にはあまり自信がありませんでした。そのため、他社の環境に身を置くことで、そうしたリーダーとしての力を伸ばすこと、そして自社では得られない新しい知見を吸収することを期待していました。
実際に留学してみて、この期待は十分に満たされました。留学先のリーダーの方々と接する中で、そのスピード感や決断力、そして「この人についていきたい」と思わせる発信力の姿勢を目の当たりにし、尊敬できるリーダー像を描くことができました。
また、予期せぬ副産物として「プレゼン資料の構成の違い」に気づけたことも大きな収穫でした。製薬業界では背景情報を長く詳細に説明してから本題に入りますが、留学先では「最初にやりたいことを言わないと皆飽きてしまう」という文化でした。業界や対象者によって、相手を惹きつけるための伝え方を柔軟に変える必要があるのだと深く実感しました。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先はVRゲームを展開する企業でした。最初は企業文化を理解するため、VRゲームの体験や各種定例会議に参加しました。その後、法人向け事業に力を入れていくという方針のもと、会議で他社の事例を調べて共有したり、新規事業の企画書を作成したりしました。具体的には、「近場で没入体験ができる子供向け遊び場」と、「小児がん患者のリハビリ支援に向けたVRコンテンツ」の二つの企画を立案し、社内提案まで行いました。
活かせたスキルとしては、未知の環境でも自ら情報収集を行い、積極的に質問していく主体性です。また、製薬業界という自身のバックグラウンドを踏まえた独自の切り口から提案できた点も大きかったです。専門用語や前提知識が全く異なる方々との対話においても、認識のズレを丁寧に確認しながら関係性を構築していくという、本業で培った協調性やコミュニケーション能力をしっかりと発揮できたと感じています。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのは、一緒に働くメンバーの中に「アバター」の姿で参加されている方がいたことです。顔もフルネームも知らず、アバターのビジュアルしか知らない相手と日常的に仕事をするという環境は、フルネームを名乗り対面での名刺交換をするのが当たり前の本業からすると、本当に異世界に飛び込んだ感覚でした。
また、仕事の進め方における「スピード感と仮説検証」の違いにも圧倒されました。製薬業界では、高い専門性と厳密性が求められ、取り返しがつかない事態を防ぐために、何事も丁寧に固めてから少しずつ前に進めます。しかし留学先では、一週間で状況が大きく変わるほどのスピード重視であり、「まずは仮で決めて、動きながら修正していく」というスタンスが求められました。業界が違うと、ここまで根本的な仕事の進め方が異なるのだと強く実感しました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
最も困ったのは、全く未知の業界であるゆえの「専門用語と文化の壁」です。会議に出てもカタカナの専門用語ばかりで、最初は話の内容がほとんど理解できず、「自分はここに来て大丈夫だったのだろうか」と強い戸惑いと不安を感じました。
この壁を乗り越えるために、分からないことはそのままにせず自分で調べ、周囲の方々に積極的に質問をして理解を深めるよう努めました。また、企画書に対してフィードバックをもらった際には、「なぜそうなるのか」「どう表現すれば相手にポジティブに伝わるのか」を自分なりに整理し、言語化しました。情報収集をして仮説を立て、提案し、フィードバックを受けて修正するというサイクルを何度も回すことで、企画をブラッシュアップしていきました。この地道なサイクルを回し続ける力は、本業で当たり前にやっていたからこそ活きたのだと思います。

──本業でのサポート(上司・チームメンバー等)は十分でしたか?
本業での周囲のサポートには大変助けられました。私の役職上、臨床開発モニターのメンバーや社内の関連部門から、日々さまざまな問い合わせが寄せられます。しかし、留学先での活動日である毎週月曜日は、そうした対応をすることができません。そのため、同じチームのメンバーにお願いして、私の代わりに問い合わせの対応やフォローをしてもらっていました。事前にチームの皆さんには「週に一日は研修で不在になる」としっかり伝えていたため、業務に大きな穴を開けることなく進めることができました。不在の間を支え、快く送り出してくれたチームメンバーの協力があったからこそ、安心して留学先の活動に集中できたと深く感謝しています。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の皆さんの存在と活動レポートには、いつも大きく励まされていました。私自身は、慣れない環境の中で「まだまだ留学先に十分な貢献ができていないのではないか」と焦りや力不足を感じながら活動していました。
そんな時、他の同期のレポートを読むと、まるでそれが本業であるかのように留学先の業務にどっぷりと浸かり、留学先の方々から深い信頼を得て、大きな影響力を与えている様子が伝わってきました。本業で忙しい時間を縫いながら、未知の環境でしっかりと関係を構築し、仕事を任されている同期たちの姿は本当に凄いと率直に思いました。彼らの活躍を見るたびに、「自分も負けていられない」「残り数ヶ月、もっと頑張って貢献しなければ」と奮い立たされ、私の活動の大きな活力源になっていました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
自分ではあまり貢献できなかったと感じていたので、留学先から非常にポジティブな評価をいただけた時は、驚きとともに率直に嬉しく、ホッとしました。「製薬という高い規律性と責任が求められる環境で培われた視点が、自社に健全な問いをもたらしてくれた」というコメントをいただき、少しでも良い影響を与えられたのだと安堵しました。
特に嬉しかったのは、「未知の領域にも誠実に向き合う姿勢」「前提や価値観の違いを尊重し言語化できる点」「丁寧で信頼感のあるコミュニケーション」という三つの強みを挙げていただいたことです。自分が強みだと思っていた部分が、環境が変わっても通用すると証明できたことは大きな自信になりました。また、「俯瞰的な視点を持っている」と評価されたことも新鮮でした。治験全体を見渡す本業の経験が、無意識のうちに全体を俯瞰するバランス感覚として備わっていたことに気づかせていただきました

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
一番の変化は、「積極的なコミュニケーションと対話」に対する意識が格段に高まったことです。異なる文化や専門用語が飛び交う環境では、お互いが本当に納得するまで丁寧に会話を重ねることがいかに重要であるかを、身をもって学びました。
この気づきから、本業に戻ってからも積極的なコミュニケーションを意識しています。チームに新しいメンバーが入ってきた時や、他部署、外部の受託機関の方々と連携する際には、意識的に対話の機会を作り、質問を歓迎するオープンなスタンスを取るようにしています。若手メンバーが「忙しそうで聞きづらい」と遠慮してしまわないよう、私の方から積極的に声をかけたり、いつでも話しかけやすい関係性を築くための雑談を大切にしたりしています。お互いの納得感を引き出すためのコミュニケーションを、以前にも増して心がけるようになりました。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
留学先で学んだコミュニケーションの重要性を、今後のチームビルディングに最大限活かしていきたいです。チーム内外を問わず、対話を重視して関係性を深め、誰もが意見を言いやすく、納得して仕事を進められるような環境づくりを目指します。
また、留学先のリーダーの方々から大いに刺激を受けた「決断力」や「発信力」も、今後の自分に取り入れていきたい要素です。常にスピード感を持ち、走りながらでも的確に意思決定をしていく力や、周囲を惹きつけるような効果的な情報発信の方法を実践していきたいと考えています。今回目の当たりにした「この人についていきたい」と思われるようなリーダーの姿を目標にし、自分自身のマネジメントスタイルをさらにブラッシュアップして、チームを牽引できる存在になっていきたいと強く思っています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「ぜひ気軽に挑戦してみて。100パーセントおすすめするよ」と背中を押します。今の会社で働き続けているだけでは絶対に得られない経験や、未知の世界の知見に触れることができるからです。
もちろん、本業と並行して全く違う仕事に取り組むのですから、両立はそれなりに大変です。しかし、周囲のメンバーにしっかりサポートをお願いすれば必ず乗り越えられます。それ以上に、普段の業務では気づけない自分の本当の強みを再確認できたり、これから伸ばしていくべき課題が見つかったりと、得られる気づきは計り知れません。やってみなければ分からないことばかりなので、少しでも興味があるなら、自分の成長のためにまずは一歩踏み出し、この貴重な機会を楽しんでほしいと伝えます。

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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