複業留学体験レポート「自分の根本的な人間力が試される。知識に頼らない『地力』を知る旅」

複業留学 越境経験者

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 渕田様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業

──参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
正直なところ、ワクワクする期待感と、「本当に自分にできるのか」という不安が入り混じった気持ちでした。スケジュールが非常に密に組まれており、求められるレベルも高いことが予想されたため、業務との両立や成果へのプレッシャーを感じていました。
一方で、やったことのないことに挑戦できる貴重な機会であり、新しいマインドや考え方を学ぶ絶好のチャンスだとも捉えていました。不安はありましたが、それ以上に「学びたい」「吸収したい」というポジティブな気持ちの方が強かったように思います。社外の環境に身を置くことで得られる刺激への期待が、最初の一歩を踏み出す原動力になりました。

──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?また、それらは得られましたか?
当初は「ベンチャー企業とは一体どういうものなのか」という実態を知りたいという好奇心が強かったです。大企業のように組織が細分化されているのか、それとも個々が幅広く動いているのか、そのリアルな空気感を肌で感じたいと思っていました。また、経営トップであるCEOとの距離の近さや、意思決定のスピード感を体験することも大きな期待の一つでした。
実際に活動してみて、その期待は十分に満たされました。特に印象的だったのは、CEOとCTOのバランス感覚です。情熱的でエネルギッシュにビジョンを語るCEOと、冷静に論理的思考で分析するCTOという、タイプの異なる二人が噛み合うことで組織が推進していく様を間近で見ることができました。私自身、感情が先行しがちなタイプなので、CTOの方との対話を通じて論理的思考の重要性を学べたことは、想定以上の大きな収穫でした。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先では、企業風土の醸成をテーマにしたワークショップの企画・運営を担当しました。CEOが掲げるビジョンや熱い想いを社員一人ひとりに浸透させ、自分事として業務に取り組んでもらうための土壌作りがミッションでした。具体的には、「Will/Can/Must」のフレームワークを活用し、会社のビジョンと個人のやりたいことを接続させるワークショップを計2回実施しました。
この活動で活かせたのは、本業の営業や企画で培った「コミュニケーション能力」と「合意形成力」です。社員の方々と対話し、想いを引き出すプロセスでは自分の強みを発揮できたと感じています。一方で、相手のニーズを的確に捉える「環境分析力」については課題も残りました。何度か方向性がずれてしまい、求められているものを100%提案しきれなかった場面もあり、分析や把握のスキルはもっと磨く必要があると痛感しました。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのは、社員一人ひとりの責任感の強さと、KPI(重要業績評価指標)に対する意識の高さです。入社したばかりの若い方であっても、「売上を達成するために、このビジョンに基づき、自分はどう動くべきか」を常に考え、具体的なアクションプランを持っていました。誰かに言われたからやるのではなく、自ら考え動く「自走する力」が突出していると感じました。
また、オフィス環境にも驚かされました。マンションの一室をオフィスとして活用しており、1年ごとに拠点を変えていくというスタイルでした。そのエリアごとの顧客や企業との関わりを広げていくための戦略的な移転だと知り、大企業にはない柔軟な発想と、環境さえも成長の武器にするベンチャーならではの合理性に感銘を受けました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
最も苦労したのは、やはり本業とのバランスです。本業側でも変革の時期と重なり非常に多忙な状況下で、週に一度の留学時間を確保することは物理的にも精神的にもハードでした。どちらも中途半端になってしまうのではないかという葛藤もあり、気持ちの切り替えに苦労しました。
乗り越えるきっかけとなったのは、中間ミートアップでの同期との交流です。他のメンバーも同じように悩みながらも、貪欲に挑戦している姿を見て「自分だけではない」と勇気づけられました。それ以降は「留学の時間は留学のことだけを考える」と割り切り、留学先での活動の際は、連絡も遮断して頭を完全に切り替えるように意識しました。限られた時間だからこそ集中し、メリハリをつけることで、なんとか最後まで走り抜けることができました。

──本業でのサポート(上司・チームメンバー等)は十分でしたか?
周囲のサポートは非常に手厚く、感謝してもしきれません。特に上司は「時間は全面的に取っていい」と背中を押してくださり、私が参加できない会議の代理出席や業務の調整など、実務面でも多大なフォローをしていただきました。
また、ピアサポーターの方も「ベンチャーってどんな感じ?」「楽しそうだね」とポジティブに声をかけてくださり、興味を持って応援してくれました。社内全体として、新しい挑戦を面白がり、快く送り出してくれる雰囲気があり、それが活動を続ける上での大きな心の支えになりました。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の活動レポートを読むことは楽しみであり、大きな刺激でした。自分とは全く違う職種やミッションに取り組んでいるメンバーの活動を知ることで、視野が広がると同時に、「自分ももっとやらなければ」というモチベーションに繋がりました。
レポートを通じて、自分が何をしているかを言語化し発信するスキルの重要性も再認識しました。また、苦労や成功体験を共有することで、離れていても「チーム感」を持って取り組むことができました。それぞれの場所で戦う仲間の存在が、孤独になりがちな社外での活動における精神的なセーフティーネットになっていたと思います。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
たった十数回の活動であったにもかかわらず、私の人間性や働きぶりを深く見てくださっていたことに驚きました。特に「もっとアグレッシブに攻めてもいい」というフィードバックは、ハッとさせられるものでした。長年大企業にいる中で、無意識のうちに守りの姿勢や保守的な考え方が身についてしまっていたことに気づかされました。
ベンチャーだからこそできるギリギリのラインまで踏み込む提案や、もっと攻めた姿勢を期待されていたのだと知り、自分の殻を破る必要性を痛感しました。この気づきは、今後のキャリアにおいても非常に重要な視点であり、新しい引き出しをもらえたと感謝しています。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
一番の変化は、仕事における「スタンス」や「話し方」です。留学先でCEOやCTOと対話する中で、目的意識を持って端的に伝えることの重要性を学びました。そのため、本業の会議でも「今日はこの目的で、こういう決裁をいただきたいです」と最初にゴールを明確にしてから話すようになり、上司からも「雰囲気が変わったね」「話し方が変わった」と言われるようになりました。
また、留学先で実践したワークショップのノウハウを活かし、本業でも人材育成の研修企画において新しい提案を行うことができました。これまでなら考えることができなかった意見・手法を伝えることができ、それが実際の企画として形になったことは、留学での経験が直接的な成果として現れた瞬間だったと感じています。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
留学先で学んだ「圧倒的な当事者意識」と「スピード感」を、現在の組織にも浸透させていきたいです。リーダーとして、なぜ我々が存在するのか、チームとして何を成し遂げるべきかというビジョンを明確に示し、メンバー一人ひとりが納得感を持って動けるような強いチームを作りたいと考えています。
また、良いものは即座に取り入れ、改善すべき点はチームで話し合ってすぐに修正するというサイクルを回していきたいです。保守的になるのではなく、攻めの姿勢(新しいことへの挑戦)で組織運営を行うことで、変化の激しい時代にも対応できる人材と組織を育てていくことが、私のこれからのミッションだと捉えています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「普段は味わえない感情や経験を得られるから、楽しんでおいで」と伝えたいです。もちろん不安はあると思いますが、今の会社を離れて全く違う環境に身を置くことで、自分の本当の実力が試されます。知識やノウハウだけでなく、根本的な「人間力」や「対応力」が露骨に出る環境だからこそ、得られる気づきは計り知れません。
もし今の会社しか知らずに不安を感じているなら、なおさら外の世界を見てみるべきです。そこで何が通用し、何が足りないのかを知ることは、キャリアの自信にも繋がりますし、万が一の時のための「生存能力」を確認する機会にもなります。プラスアルファの何かを必ず持ち帰れるはずですので、恐れずに挑戦してほしいですね。

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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