複業留学体験レポート「外部の視点がもたらす変化:複業留学で得た学び」 

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた帝人株式会社中村様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業 
株式会社ビジョナリーエンジン 
https://visionary-engine.com

──本業での仕事内容を改めて教えてください。 
帝人で炭素繊維の製造技術の開発に携わっており、入社以来約16年間この業務を続けています。 

──複業留学に興味を持ったきっかけは何ですか?具体的にどのような点に惹かれましたか? 
入社以来16年間、同じ業務を続けてきた中で、他の企業がどのような仕組みで意思決定を行い、業務を進めているのかに対する興味が湧いてきました。 
他社の文化や業務の進め方を知ることができるという点に魅力を感じました。また新しい視点を得ることで、自分の業務にも新たな刺激・インスピレーションをもたらすことで、より結果を出せる働き方ができるのではないかと考えました。 

──複業留学に参加するにあたって、どのような目標や目指す姿を持っていましたか? 
私の目標は、チームとして効果的に働き結果を出せる人材になることです。そのためには、組織として業務を進める際に、どのような仕事の仕方が効率的であるのかを学びたいと考えていました。 
また、他の企業がどのように業務を進めているのかを理解し、それを自分のスキルとして吸収することも目指していました。 

──応募する際に、何か迷いや葛藤はありましたか?もしあれば、どのように乗り越えましたか? 
業務が忙しく、プライベートでも子供が小さいため、多忙な日々を送っていました。複業留学に応募することでバランスが取れるのかという不安もありました。 
しかし、周りの方に相談したところ、上司が快く応じてくれたり、家族も「やりたいならやればいい」と背中を押してくれたことが大きな支えとなりました。周囲のサポートがあったからこそ、一歩踏み出すことができました。 

──留学中の具体的な活動内容やスケジュールについて教えてください。特に印象に残っている出来事や取り組みはなんですか? 
AIエージェントに特化した一般社団法人AICX協会(https://aicx.jp/)の立ち上げに関わる業務を主に担当しました。この立ち上げは複業留学が開始直後から始まりました。 
特に印象的だったのは、AICX協会が主催するオンラインカンファレンス「AIエージェントデー」です。このイベントは2月中旬に開催され、当初は1000人の参加を目標としていましたが、結果的に3000人を超える参加者が集まりました。 
私はその事務局として、運営準備や参加者へのフォローアップを行い、2月末までその業務に従事しました。 
その後は、次回以降のカンファレンス開催に向けたマニュアル作成に取り組みました。 
印象に残っていることはたくさんありますが、特に働いている方々の発想力には感銘を受けました。カンファレンスや協会をより良くするために、あえて批判的な意見も出しながらブラッシュアップしていく姿勢も印象的でした。また、AI関連の会社ということもあり、業務が非常に迅速に進められる様子を見て驚かされました。一方で、私はNotion(ノーション)などのツールを使いこなせず、苦労しましたが、新しい環境での挑戦は多くの学びがありました。 

──留学中の目標達成に向けて、特に意識して取り組んだことは何ですか?主体的な行動や工夫があれば教えてください。 
まずは信頼を得ることを意識しました。「この人は信頼できる」と思ってもらわないと、仕事を任せてもらえないと思ったので、依頼されたことはもちろん、依頼されていないことでもできることを探して積極的に取り組むようにしました。その上で、全期間を通じて週に1~2回の打ち合わせに出た際に、メンバーがどのように考えているかや業務の進め方を理解し、自分でも吸収しようと努めました。 
すべての業務がほぼリモートで行われており、仕事をしている姿を直接見る機会は限られていたため、打ち合わせは他社の仕事の進め方を学べる重要な機会でした。その中で、専門性を持った方々がどのように考え、発想して業務を進めているのかを知れたことは、本業にとって非常に参考になったことはもちろん、打ち合わせに参加すること自体が楽しく、充実した経験となりました。 

──留学経験を通して、目標に対してどのような気づきや学びがありましたか?特に、越境したからこそ得られたと感じる点はありますか? 
あえて批判的な意見を打ち合わせの際に述べることの重要性を感じました。自分がその意見に賛成だったとしても、そのまま賛成の意見だけをいうのではなく、あえて違う角度の意見を付け加えて議論を交わすことで、より良い結果が生まれる場面を目の当たりにしました。
また、AIが進化する中で、チームとして結果を出すためには人間が関与する部分がまだまだ重要であると感じました。チームビルディングやプロジェクトマネジメントのスキルをさらに伸ばす必要があると考えています。自分の持っている経験やスキルは今の業務に特化している部分が多いですが、それだけでは今後目指したい姿には不十分であると感じました。自社よりもAIをフル活用している企業の仕事を経験したからこそ、教科書に載っているようなハードスキルだけではなく、コミュニケーションや問題解決能力などソフトスキルを身につけることが、これからはより重要だと強く思うようになりました。 

─同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか? 
同期の皆さんのモチベーションは私とは異なり、明確に「このスキルを身につけたい」とか「こういう自分を確認したい」といった目的を持って留学されていることが印象的でした。 
私は新しいことを学んだり、他社の企業文化を知りたいという想いで参加したので、その点では違いを感じました。一方で、実際に複業留学を進めていく中で、なかなか活躍できない自分に対してもどかしさを感じることもありました。同期の皆さんのレポートを見ていると、同じように感じている方が多いことに気づき、少し安心する部分もありました。 

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか? 
留学先の代表は基本的に非常に前向きな方で、物事を良い方向に捉える傾向があります。そのため、代表からの評価もポジティブなものでしたが、少し甘めに評価していただいたのかなとも感じました。
また、私自身も途中から「自分のコツコツとした取り組みや慎重さは特徴なのかもしれない」と思い始めていたところを、代表が気づいてくれたことには驚きました。自分ではその特徴をこれまで意識していなかったので、新鮮な気づきでしたし、代表にその点を評価してもらえたことはありがたく感じています。自分の新たな強みを認識できたことは、今後の成長につながると思います。 

──留学経験を通して、本業に対する考え方や課題に感じる部分に変化はありましたか? 
はい、確かに変化がありました。自社が慎重すぎることや、高コスト体質であることをより強く感じるようになりました。もともと社風として保守的な面があるとは思っていましたが、それがより明確になったという印象です。
一方で、大きな設備で製造を行っているため、安全が非常に重要であり、慎重にならざるを得ないことも理解しています。複業留学で経験した全てオンライン上やソフトウェア上で行われる環境とは異なるため、直接比較することは難しいと思います。
しかし、それでも「もっと柔軟なやり方があるのではないか」「メリハリをつけた進め方はないのか」と感じることはあります。課題として感じていた部分がより明確になり、今後の改善点として意識するようになった感覚です。 

──留学経験を踏まえ、本業で新しく取り組んでいること、または取り組もうとしていることはありますか?具体的な行動変容について教えてください。 
先ほどの打合せでの姿勢に加えて、いくつか取り組んでいることがあります。まず一つ目は、Slackでのコミュニケーションを経験したことを活かして、自分のチーム内でもメインコミュニケーションをOutlookのメールからTeamsのチャットに切り替えました。私個人としては、メールでのやり取りが減り、コミュニケーションがスムーズになったと感じています。ただ、会社のシステムの制約上、一部連携がうまくいかず、留学先で体験したような便利さがなかなか実現できないため、最適な方法を探しているところです。 
また、AIの進化を体感したことで、自身のキャリアや働き方を見つめなおすきっかけになりましたので、に月に一度の1on1で自身の学びをチームメンバーに共有し、メンバーにも今後の働き方などについて考えてもらうようにしています。 

──もし、参加を迷っている方にメッセージを送るとしたら、どのような言葉をかけますか? 
迷っているのであれば、ぜひ参加してみることをおすすめします。新しいことを試さなければ、新たな視点や経験は得られません。後悔するくらいなら、まずはチャレンジしてみる方が良いと思います。確かに大変なこともありますが、参加することで得られるものは多いです。プレッシャーを感じることもあるかもしれませんが、結果を出さなくても本業の評価には影響ないはずなので、気軽に挑戦してみてはと思います。楽しむくらいの気持ちで参加しても、価値のある経験が得られる可能性は高いと思いますので参加する価値が十分にあると感じています。 

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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