複業留学体験レポート「内向きな視線を外へ。「もっと自由に考えていい」と気づけた3ヶ月」

複業留学 越境経験者

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。
今回は実際に研修に取り組んでいただいた大日本印刷株式会社 村上様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業

──本業での仕事内容を教えてください。
本業では、主に食品会社に向けてパッケージの資材を提供する営業職に従事しています。単に資材を売るだけでなく、お客様から「このようなものを作りたい」というご相談を受ける段階から、最終的な品質保証に至るまで、一気通貫で担当するのが私の仕事です。
具体的には、お客様のご要望に合わせて、商品のネーミング案を考えたり、デザインコンペを開催して何パターンものデザインを提案したりするなど、商品の立ち上げから深く伴走することもあります。また、パッケージに使用するタレントの方の色味の調整といった細かなディテールから、売上拡大のための商品提案、コスト削減の提案まで幅広く行います。最終的に、納品した製品に不具合やクレームが発生した際の迅速な対応も含め、品質を担保する責任を負いながら日々の活動に取り組んでいます。お客様によっては、デザインの段階から一緒に話し合いを重ねて作り上げていくため、非常に密接な関係性を築きながら進めていくことが重要です。

──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
一番の理由は、自分のキャリアに対する危機感や興味です。現在、私は20代後半から30代に差し掛かる年代ですが、友人や年次の近い先輩たちが転職で他社へ移ったり、起業や自営業へとキャリアチェンジしたりする姿を多く目にするようになりました。今の会社自体はもちろん嫌いではありませんが、このまま一つの会社しか知らない状態で居続けるのではなく、他の会社の雰囲気やビジネスの進め方を一度知っておきたいという想いが強くなりました。
そんな中、本業を維持しながら3ヶ月間という期間限定で他の環境を経験できる複業留学は、非常に魅力的な制度だと感じました。ちょうど福岡から東京へ異動してくるタイミングだったこともあり、スタートアップ企業が多い東京で、実際に対面での交流も含めて刺激を受けたいと考えたことも後押しとなりました。異動直後は本業が落ち着いていたこともあり、「今なら行ける」というタイミングを見計らって手を挙げました。実際には活動が始まってから本業も非常に忙しくなってしまったのですが、あの時一歩踏み出した判断は間違っていなかったと感じています。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先は株式会社TOKIという企業で、二つの事業に携わりました。一つは海外の富裕層向けに日本独自の文化を体感できる旅行を企画する事業、もう一つはそこから派生して立ち上げた旅行会社向けの管理アプリ事業です。私は主に後者の立ち上げたばかりのアプリ事業において、営業支援やマーケティングを担当し、営業戦略の立案や、新規獲得のためのコールドコール(テレアポ)を通じたPOC(概念実証)のプロセスをお手伝いしました。
活かせたスキルについては、マクロな視点では「業界ごとのキャッチアップ力」が挙げられます。本業では食品だけでなく、医薬や流通など多様な業界を担当しており、異なる分野の知識を素早く吸収する習慣が役立ちました。また、本業がチームで動く仕事であるため、留学先でも上のレイヤーの方々を巻き込みながらチームで動く力は発揮できたと感じています。事前に伸ばしたいと考えていたリーダーシップについても、完璧とは言えませんが、自分のやるべきタスクを完遂するためにメンバーにお願いをしたり、意見を求めたりといった自分なりの巻き込みを行うことができました

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
最も大変だったのは、時間の確保です。異動に伴い本業が予想以上に忙しくなってしまったのですが、留学先へのコミットメントも絶対に落としたくないという強い想いがありました。これを乗り越えるために、自らの「ギア」を上げ、業務を徹底的に圧縮して効率化を図りました。自ら設けた期日までに何としても間に合わせるという姿勢で、時間の制約という壁に立ち向かいました。
また、実務面では人生で初めて経験したコールドコールに苦戦しました。正直なところ、気持ちとしては非常に重かったですが、任された仕事である以上「やるしかない」と腹をくくりました。最初は全く上手く行かず、商談獲得の難しさや自分の力不足に落ち込むこともありましたが、生成AI(GPT)に壁打ちをしてトーク内容を工夫するなど、試行錯誤を繰り返しました。本業でテレアポを専門としている方々の凄さを改めて実感すると同時に、嫌なことからも逃げずに完遂しようとするマインドで乗り切りました

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚き、かつ刺激を受けたのは「カルチャー」の違いです。私の勤める大企業では、ブランド力や安定性、あるいは多様な経験ができることに惹かれて入社する人が多く、自社そのものに対する愛着や目的意識を強く持って働いている人はそれほど多くないという印象を持っていました。しかし留学先の方々は非常に視座が高く、「観光で日本を盛り上げる」といった明確な目的意識と熱量を持って仕事に取り組んでおられました
この、情熱を持って事業を推進する姿は非常に眩しく、個人的には羨ましいと感じるほどでした。これがベンチャーやスタートアップの本質的な気質なのだと肌で感じ、自らの仕事に対する向き合い方を見直す大きなカルチャーショックを受けました。自ら想いを持ってサービスを立ち上げ、熱狂的に取り組んでいる環境に身を置けたことは、何物にも代えがたい体験となりました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
「もっと自由に考えていいんだ」という視点を持てるようになったことが一番の変化です。これまでは本業のフレームワークや型に当てはめて動くことが当たり前だと思っていましたが、留学先で「外部サービスでも何でも、使えるリソースはすべて使う」という貪欲なスタイルに触れ、自分の思考がいかに制限されていたかに気づかされました。他人がやっていないからといって、自分もやってはいけないわけではないという気づきは大きな収穫でした。
この変化は、すでに本業での行動にも現れています。例えば、社内ではまだ活用されていなかった高度な有料版AIツールの導入を上司に掛け合い、自ら有料アカウントを使わせてもらえるよう交渉しました。さらに、自分が得たナレッジを共有するためのミニセミナーを開催するなど、外の視点を積極的に社内へ取り入れる動きを始めています。内向きだった視線を外に向け、新しい技術や考え方をどんどん組織に還元しようとする姿勢は、周りの人たちにも良い影響を与え始めていると感じています

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の皆さんのレポートやミートアップを通じて、「一筋縄ではいかない悩みや葛藤を抱えているのは自分だけではない」と知れたことが大きな救いになりました。私自身、活動が思うように進まず「全然うまくいかない」と落ち込むこともあったのですが、他の皆さんも同じように苦しみ、悩みながら取り組んでいる様子を見て、非常に心が軽くなりました。
「みんなも頑張っているんだから、自分も頑張ろう」という、ある種の連帯感のようなものがモチベーションの維持に繋がりました。また社内では接点のない、異なる部署の仲間たちが外の世界で奮闘する姿は、孤独になりがちな留学期間において確かな支えになっていたと思います。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
留学先から、中間・最終ともに予想以上に高い評価をいただいたことには、正直なところ驚きと恐縮する想いがありました。自分個人としては「もっとガッツリやりたかった」「もっとできたはずだ」という不完全燃焼な気持ちが少なからずあったため、そのギャップに少し戸惑いも感じました。しかし、そのように真摯に自分の活動を見て、高い点数をつけてくださったことは本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。
特に、開始前のマッチングに苦戦した末に出会えた留学先だったので、そこで評価をいただけたことは感慨深いです。自分では課題だと感じていた部分も含めて、外部の方に評価されたことで、今の自分が他社でどのように映っているのか、客観的な現在地を知ることができました。この経験は、自分を信じて次の一歩を踏み出すための、確かな自信に繋がったと感じています

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
最大の目標は、所属している事業部の「閉鎖性」を打破することです。私の部署は外からの人材流入がほとんどなく、新卒からの生え抜きばかりが集まる非常に閉鎖的な環境だと感じてきました。留学を通じて「外の風を入れる」ことの重要性を痛感したため、今後は積極的に外部の視点や新しいマインドを組織に取り込んでいきたいと考えています。
具体的なアイデアがすべて固まっているわけではありませんが、まずは「外を見る」というマインドセットを持って動くことから始めます。前述したAI活用の推進もその一環です。自社内だけの常識に囚われず、外にある優れたリソースや考え方を貪欲に活用していく姿勢を自分が先頭に立って示すことで、少しずつでも組織の風土を変えていきたいと思っています。複業留学で得た「自由な思考」と「外の視点」は、これからの自分のキャリアと組織への貢献において、不可欠な武器になると確信しています

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「間違いなくカルチャーショックを受けるけれど、それはプラスの経験でしかない。ノーリスクで新しい自分に出会えるチャンスだよ」と伝えたいです。自分も申し込む前は「食われるんじゃないか」と思うほどビビりまくっていましたし、新しい環境に飛び込むことへの恐怖は相当なものでした。しかし、いざ始まってしまえば進むしかありませんし、終わってみれば「やってよかった」という感想しか残っていません。
3ヶ月という期間限定だからこそ、身構えずに気軽にチャレンジしてみてほしいです。自分に合う企業をしっかりと選べば、たとえ厳しさを感じる場面があったとしても、それは自分を成長させるための貴重な糧になります。迷っているくらいなら、まずはやってみる。その一歩が、想像もしなかった新しい視点や可能性を広げてくれるはずです。ノーリスクでこれほど濃厚な経験ができる機会を逃す手はありません。

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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