複業留学体験レポート「未知の環境で築いた信頼関係。任せる勇気が引き出す組織の可能性」

複業留学 越境経験者

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 今岡様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業

Zen Group株式会社
https://zen.group/

──参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
転職でもしない限り、他社の仕事のやり方や内情を知る機会はないので、「面白そうだな」と思いました。年齢が40歳に差し掛かる中で、完全な異業種への転職は現実的に厳しいと感じていました。だからこそ、通常であれば絶対に行けないような環境に飛び込めるのは、非常に面白いチャンスだと捉えていました。私の場合は「なんとかなるだろう」という楽観的な気持ち捉え、もし何かあっても「ベストを尽くした上でうまくいかない時は仕方がない、自分の限界を理解した上で改善をすればいい」という前向きな気持ちでスタートラインに立ちました。

──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?また、それらは得られましたか?
自分の全く知らない世界を知ることができるという点に一番の期待と楽しみを感じていました。そして実際に、期待していた以上の気付きや予期せぬ副産物を得ることができました。特に大きかったのは、部下へ仕事をうまく任せる経験ができたことです。留学によって本業のリソースが20%削られることで、どうしても自社の仕事に関われない部分が出てきました。しかし、私が対応できない分、部下たちが一生懸命にカバーしてくれました。この経験がなければ、何でも自分で頑張って解決しようとするマインドから抜け出せなかったと思います。いい意味で部下を信頼して仕事を任せ、自分の時間を作り出すことの重要性と、「やればできるんだ」という実感を得られたのは大きな収穫でした。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先は、日本のECサイトの商品を海外の顧客向けに販売・発送している企業でした。私は物流センターに配属され、海外向けの梱包や通関手続きなどの発送業務を担う現場で活動しました。この部署はコストセンター的な側面が強く、いかに手作業を効率化するかが最大の課題でした。そのため、現場のデータからどんな効率化ができるかを分析し、提案や業務課題の解決支援を行いました。 本業がIT部門のため、システムの活用については他部署の方より経験があります。ツール環境が自社とは全く異なりましたが、「システムが違ってもできることは大きく変わらない」と考え、素早く適応できました。また、日頃からBIツールを使ったデータ分析などを行ってきた経験も、データに基づく効率化の提案において大いに活かすことができたと感じています。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
CEOが4名とも外国籍という点に留学前からインパクトを感じていましたが、実際に出社してみると、本社のオフィス環境や服装の自由さにはさらに驚かされました。自社はスーツにネクタイという伝統的なスタイルですが、留学先ではスーツ姿の人はほぼおらず、多国籍なメンバーがラフな服装で働いていました。 「服装で自分らしさを表現する」という文化が根付いており、日本にいる感覚を忘れるほど、まさに「小さな地球」のような多様性に溢れた空間でした。一方で、物流センターは大阪の街中にあり、スタッフも日本の方ばかり。こちらは打って変わって、日本らしい温かみのある「街の職場」という雰囲気でした。高品質な物流を維持し、現場の細やかな指示に丁寧に応えるために、あえて地元の方々を多く採用されているそうです。同じ企業の中に、これほど対照的な「色」が共存していることが、私にはとても新鮮な驚きでした。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
一番大変だったのは、やはり活動の初期段階です。知っている人が誰もおらず、誰に何を話していいかわからないという、人間関係の構築が最初の壁でした。 これを乗り越えるために、まずは基本的なこととして、朝は「おはようございます」、帰りは「お疲れ様です」と積極的に声をかけて回るようにしました。また、雑談をする機会を意識的に作るなど、自分から会話のきっかけを生み出すよう努めました。さらに、業務で取り組んでいることを発信し、「この人はこういうことができるんだな」という認知や期待感を持ってもらうことも大切にしました。地道なコミュニケーションと業務の可視化を重ねることで、少しずつ相手からの相談も増え、関係性を構築することができました。

──本業でのサポート(上司・チームメンバー等)は十分でしたか?
本業でのサポートは非常に手厚く、大変感謝しています。私が不在の間も、チームのメンバーが積極的に自発的に動いてくれました。「こんなことを進めておきました」と報告をもらうことも多く、私の指示がなくても業務が回る体制ができていました。特に、私と同じくらい経験値のあるメンバーがうまく周囲を動かしてくれたことも大きかったです。 自社には、誰かが忙しかったり研修で時間がなかったりする時に、自然とフォローし合う文化が根付いています。「自分の仕事はここまで」と線を引くのではなく、必要なところには目を向け、互いに支援し合う風土があることを改めて実感しました。このような素晴らしいメンバーや組織の環境があったからこそ、安心して留学先の活動に集中することができました。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の皆さんのレポートにはとても励まされました。それぞれが異なる環境で全く違う経験をしており、孤独感を感じることなく「周りにも一緒に頑張っている仲間がいる」と思えたのは大きな心の支えでした。皆さんの活動状況を見て、「この業界は大変そうだな」「自分にはこの仕事は難しそうだ」と自分に置き換えて考える良い機会にもなりました。他業界ならではの課題の深さや面白さを間接的に学ぶことができました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
留学先の2名の方から評価をいただきました。一緒に現場で働いた方からは比較的良い評価をいただき、もう1人のレポートラインである上の立場の方からは中程度の評価をいただきました。これについては、私自身が直接現場の課題解決にフォーカスしてしまい、上のレイヤーが求めるさらに抽象的な課題にはあまりアプローチできていなかったため、非常に納得感のある結果だと受け止めています。 振り返ってみると、上の立場の方と直接顔を合わせてお話しする機会が限られていました。自分から積極的に「こんなことをやってきたのですが、さらにどんなアプローチが良いでしょうか」と相談する時間や機会をもっと作っていれば、また違った結果や面白い展開になったかもしれないと感じています。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
留学の期間中、本当に多くの方々のサポートを受けたことで、周囲への「感謝の気持ち」が以前よりもずっと強くなりました。家族は私がいない間の家のことを担ってくれましたし、部下は私の不在中の仕事をしっかりカバーしてくれました。また、会社も時間と費用をかけてこのような成長の機会を提供してくれました。 この経験を通じて、自分の時間や業務にばかり目を向けるのではなく、周囲が求めているものにしっかりと目を向けることの大切さを学びました。自分を支えてくれる人たちに対して、自分もまた手を抜かずにしっかり報いていかなければならないと強く感じており、部下や家族と過ごす時間をより大切にするなど、意識的な変化が生まれています。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
今後、社内で違う部署へ異動する可能性や、全く新しいプロジェクトに携わる機会があると思います。その際に、今回の留学で培った「速やかに人間関係を構築し、一緒に仕事を進めていくチーム作り」の経験を活かすことができると考えています。 全く異なる環境に身を置き、手探りの状態から相手の信頼を得て業務を推進した経験は、新しい環境への適応力を大きく向上させてくれました。初めての場所や未知の業務であっても、そこで何が必要とされ、どう動くべきかを冷静に判断し、素早く順応していく力は、これからのキャリアにおいてどのような場面でも活かせる汎用性の高い武器になると確信しています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「うまくいくかどうかなど心配せずに、自分にできることを全力でやってみよう」と声をかけます。中途半端にやって失敗した場合、「時間がなかったから」「本気を出せなかったから」と言い訳ができてしまい、結局自分の本当の限界や課題が見えなくなってしまいます。 そうではなく、やるだけやって失敗したのであれば、それは貴重な現状把握になります。全力でぶつかった結果として何が通用し、何が足りなかったのかを明確に言葉にできる状態になれば、それは確実な成長の糧になります。本業の評価に直接響くわけでもないこの貴重な研修の機会を、「安心して全力で失敗できる場」と捉え、自分自身の現在地を知るために思い切り挑戦してきてほしいと伝えます。

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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