複業留学体験レポート「『人』が全ての起点。外の世界で見つけた私の強み」

複業留学 越境経験者

エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。今回は実際に研修に取り組んでいただいた大鵬薬品工業株式会社 市原様に、複業留学についてインタビューいたしました。

受入企業

株式会社Ling
https://www.lingcorp.co.jp/

──参加が決まった際の率直なお気持ちを教えてください。
正直に申し上げますと、一番最初に感じたのは「不安」でした。これは参加される多くの方が感じることかもしれませんが、会社の代表として行く以上、留学先の企業に対して「本当に自分が何を提供できるのか」、そして「具体的な成果を残せるのか」という2点について、強くプレッシャーを感じていました。これまでとは全く異なる環境に飛び込むわけですから、相手の期待と自分の実力が釣り合っているのか、そのギャップに苦しむのではないかという懸念が常に頭の片隅にありました。
しかし同時に、期待に応えたいという想いと、「自分試し」への期待感もありました。今の自分が外の世界でどこまで通用するのか、自分の力を試してみたいというポジティブな気持ちも、決まった時の感情として確かに存在していました。不安と期待が入り混じった複雑な心境でしたが、挑戦への意欲は高かったと記憶しています。

──参加するにあたり、複業留学にどんなことを期待されていましたか?また、それらは得られましたか?
参加にあたって最も期待していたのは、ベンチャー企業特有の「スピード感」を肌で感じること、そして「人材マネジメント」の手法を学ぶことでした。特に、人材派遣という人を中心とするビジネスモデルの中で、どのように人を動かし、管理しているのかを知りたいという強い想いがありました。
実際に4ヶ月間の活動を通じて、これらの期待以上の刺激を得ることができました。特に新規事業に対する姿勢については、検討が完璧に進んでいなくても「まずはやってみよう」と若手をアサインして前進させる、その寛容さと決断力には感銘を受けました。留学先の代表のスタンスから、走りながら考えることの重要性や、新しいことへの向き合い方を学べたことは、私にとって非常に大きな収穫でした。期待していた学びが得られただけでなく、本業での仕事の進め方を見直す大きなきっかけになったと感じています。

──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
留学先は人材派遣を主軸とする企業で、私はそこで二つのミッションに取り組みました。一つ目は、進行中だったキャリア支援事業(有料職業紹介サービス)の運営サポートです。すでに始まっていたサービスの課題や改善点を洗い出すため、市場環境や競合調査を行い、社員の方々とディスカッションを重ねて解決策を探りました。二つ目は、既存事業の拡張に関する事業開発構想です。課題に対する解決策として、最終的にはビジネスプランの作成までを行いました。
この活動で活かせたのは、まず全く未知の環境に飛び込んでいく「忍耐力」や「主体性・協調性」といった基本的な特性です。そしてスキル面では、「コミュニケーション能力」と、プロジェクトを前に進める「推進力」が役立ちました。右も左も分からない中で関係性を築き、課題を特定して解決策を形にしていくプロセスには、これまで培ってきた経験が活きたと感じています。

──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
一番驚いたのは、人事評価の方法とその重みです。本業では半年に一度の評価が一般的ですが、留学先では人事評価がビジネスの成果に直結していました。派遣している社員の方々の評価が、そのまま会社の収益に影響するため、非常にシビアかつ丁寧に行われていました。
具体的には、週単位で全国の派遣社員の状況を把握し、一人ひとりに対して何時間もかけてエクセルで評価や管理を行っているという話を聞き、衝撃を受けました。「人材を価値として提供する」、人材そのものがビジネスの根幹であるため、そこにかける情熱と時間は私の想像を遥かに超えていました。人をマネジメントするとはどういうことか、その本気度において大きなカルチャーショックを受けました。

──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
最も困ったのは、業界知識や扱う内容を理解するのに予想以上に時間がかかったことです。私は長年同じ業界にいたため、ある程度ベースとなる知識が積み重なった上で仕事をすることに慣れきっていました。しかし、留学先ではその前提知識が全くないため、ゼロからインプットしなければならず、その大変さを痛感しました。
これを乗り越えるために意識したのは、業界知識に依存しない「仕事の進め方」や「フレームワーク」を活用することです。知識がない中で成果を出すには、汎用的な思考の枠組みやプロセス管理のスキルが重要になります。普段の仕事から、業界特有の事情を省いても通用するスキルセットを意識しておくことが大切だと気づかされました。苦労しましたが、この経験のおかげで自分のスキルの棚卸しができたと思います。

──本業でのサポート(上司・チームメンバー等)は十分でしたか?
私の複業中に本業では提携の交渉が複数走っていました。私自身が主体的に関わることに限界がありましたが、上司・チームメンバーが中心となり大いに前に進めてくれました。また、同僚からのピアサポート(活動報告への「いいね」やコメント)は心の支えになりましたし、同期の活動報告を見て「自分も頑張らなければ」と刺激を受けていました。
一方で反省点もあります。私自身がもっと主体的に留学先での悩みや課題を相談すれば良かったと思っています。本業の同僚も同じ事業開発のプロフェッショナルですから、「今こういう課題で悩んでいる」と相談してディスカッションする時間を設ければ、より良い解決策が見つかったかもしれません。皆さんが忙しい中で遠慮してしまいましたが、自分からアイデアを取りに行く姿勢があれば、もっと周りを巻き込めたのではないかと思っています。これは自分自身の課題でもあります。

──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期の活動、特にうまくいっている方のレポートからは多くの気づきを得ました。プロジェクトを円滑に進めている方は、例外なく留学先との「コミュニケーション」がうまくいっており、信頼関係がしっかりと構築されていました。
ある同期メンバーの最終報告を見た際、留学先の方々のことを深く考え、また先方からも非常に温かい言葉をかけられているのを知り、感動しました。日頃からの密なやり取りや、相手を思いやる姿勢が信頼を生み、それが結果としてミッションの達成や成果に繋がっているのだと改めて実感しました。スキルや知識以前に、まずは人と人との信頼関係を作ることが、複業留学成功の鍵であることを同期の姿から学ばせてもらいました。

──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
率直に嬉しかったです。評価シートには、私が自身の強みだと考えていた「コミュニケーション能力」や、重要視して力を入れていたポイントが漏れなくピックアップされていました。自分が意識して取り組んだことが、社外の全く異なる環境でもしっかりと伝わり、評価されたことは大きな励みになりました。
普段の社内評価とは異なり、しがらみのない第三者からの客観的なフィードバックは、自分の強みを再確認する上で非常に貴重な材料となりました。「自分の強みはこれだ」と胸を張って言える根拠をいただけた気がします。この評価を自信に変えて、これからの業務にも活かしていきたいと強く思いました。

──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
一番の変化は、「自己認識」をしっかり持てるようになったことです。これまでも社内で忍耐力や推進力を評価されることはありましたが、それが社外でも通用する「強み」であると確信できたことは大きな変化でした。全く環境の違う場所で同じような評価を得られたことで、自分の能力に対する自信が深まりました。
周りへの影響については、まだこれからだと思っています。得た自信や気づきを、意識して日々の業務に落とし込んでいくのはこれからのフェーズです。一方で自分のスキルだけでは限界があることを痛感したのも「自己認識」のひとつです。自分という存在と、組織・仲間から成果を生む仕組みや仕掛けをもっと深めたいと思いました。こうして自分の中での軸がしっかりしたことで、今後の仕事への向き合い方は確実に変わっていくはずです。少しずつ周囲にも良い影響を与えられるよう、行動していきたいと考えています。

──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
留学先で目の当たりにした「人材マネジメント」への情熱を「チームビルディング」に活かしていきたいです。今回の経験を通じて、一人でできることには限界があること、そして仲間と共に協力し合うことで大きな力が生まれることを改めて痛感しました。
今後は、自分のスキルセットとチームメンバーの強みを照らし合わせながら、お互いに補完し合い、高め合えるような環境づくりに力を入れていきたいです。特にピープルマネジメントの領域で、留学先で見たような「人が活き活きと働く組織」を目指し、チーム全員で業務を進めていけるような体制を作っていきたいと考えています。

──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
「今の自分と全く違った環境に身を置いてみることは、自分の能力だけでなく、何を大切にしていたか、どんな価値観で仕事をしていたかに気づく良い機会になります。怖い部分もあると思いますが、ぜひ飛び込んでみてください」と伝えたいです。 外の世界に出ることで初めて、普段当たり前だと思っていた自分の価値観や、忘れていた大切なことに気づかされます。それが複業留学の最大の価値だと思います。未知の環境への恐怖心はあると思いますが、それを乗り越えた先には、必ず自分自身に関する多くの発見が待っています。ぜひ勇気を出して挑戦してほしいですね。

【複業留学とは?】
ベンチャー企業の課題解決を通じた越境学習の実施により、「行動変容を促す研修プログラム」です。
3~6か月間×週1日の実践で、通常業務と並行して実施が可能です。
詳しくはこちら:https://teamlancer.jp/lp/fukugyo_ryugaku


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