エンファクトリーが提供する越境型研修サービス「複業留学」は、大手企業の従業員がベンチャー企業で実務を行う「越境研修」です。 今回は実際に研修に取り組んでいただいた株式会社オリエントコーポレーション 坂下克様 に、複業留学についてインタビューいたしました。
──本業での仕事内容を教えてください。
システム推進部に所属し、各部署から寄せられる要望に基づきシステム開発を伴う新たなビジネスの実現をサポートしています。一般的にはSE(システムエンジニア)に近いような業務と考えています。
実際にシステムを利用する顧客や提携先を管轄する部署が求めるシステムの実現をめざします。そのため、各部署を通じて顧客や提携先のニーズを理解し、システム開発を円滑に進めるための橋渡しを行っています。
──複業留学に手を挙げた理由を教えてください。
社外に出たときに自分の力がどれくらい通じるのかを、実際に試してみたいと思いました。入社してから約18年が経ちますが、これまでの経験を通じて自分を客観的に見つめ直す良い機会になるとも思いました。通常では、このような経験は転職をしないと得られないものだと思いますが、自社に属しながら異なる環境での経験ができる制度に非常に魅力を感じ、複業留学に手を挙げました。
また、せっかく挑戦するのであれば、自分がこれまでやったことのない、苦手なことに挑戦したいという思いから、外国語ビジネスを行う企業への複業に決めました。
──複業留学先での活動内容を教えてください。また、どんなスキル、能力、ノウハウが活かせたと思いますか?
外国語を話せない人と通訳者をマッチングするアプリを運営している会社です。このアプリは個人向けには普及が進んでいますが、法人契約を強化したいという課題を抱えていました。そのため、私の主な活動内容は、法人契約を進めるための具体的な策や方法を検討することでした。
オリコをモデルケースとした法人契約のスキーム構築を目標にしていましたが、複業留学期間内には法人契約のスキーム案の完成までに留まりました。現在もオリコと留学先で契約に向けての取組みは継続していますので、留学先からも貢献できたと評価されています。
また、私は自社でさまざまな部署での業務経験があったため、その経験を生かし業務知識や人脈で、スキーム案の完成に至ったと思います。私の取組みでは、ヒアリングや情報収集が肝でしたので、相手のニーズを引き出し、より具体的なシーンでの活用方法を提示することを重視しました。通訳やアプリのメリットはもちろん、相手先の業務を理解することも重要であり、これらのスキルが複業で生かせたと感じています。
──複業留学で困ったことは何ですか? またどのように乗り越えましたか?
複業留学における最終目標は、なにかしらの実績を残すことでした。しかし、実績を残す見込みがなかなか立たず、挫折しそうになることも多かったです。
取組みの初期に考えたヒアリング対象先だけでは難しいと感じたため、対象先を広げることとし、情報収集も継続しました。
その結果、最終的には複業留学期間内に契約には至りませんでしたが、2つの仕掛かり案件を残すことができました。最後まで諦めずに粘り強く取り組んだことが、困難を乗り越える一因となったと思います。
──留学先で一番驚いたこと、違いを感じたことは何ですか?
留学先で一番驚いたのは、職場環境です。 特にオフィスに関しては、非常に新鮮でした。私が留学先として選んだ企業は、WeWorkという共有オフィススペースを利用しており、そこには多くのベンチャー企業が集まっていました。こうした共同オフィスがあること自体知りませんでした。
ベンチャー企業の多くは、オフィスに常駐していないことも多く、そもそもオフィス自体ない(自宅などで業務する)こともあると聞き、私の考えが偏っていたことに気づかされました。
留学先の代表者はほとんど海外に出張されていたため、留学先の担当の方が一人で多くの業務をこなしている様子を目の当たりにし、ベンチャー企業の厳しさを実感しました。
このように実際に体験することで、これまで人から聞いていた話とは異なる現実を知ることができ、刺激的な経験となりました。
──複業留学の前後で何が変わりましたか? もし、周りの人への影響があれば教えてください。
複業留学を経て、大きく変わったというよりは、再認識したことが多かったと思います。 特に、案件に取り組むスピードや、やり遂げるためのこだわりが強くなったと感じています。
3ヶ月という限られた期間で成果を出さなければならないというプレッシャーもあり、その中で何とか形に残すことができたのは、ある種の成功体験として自信につながりました。
また、多忙な中で自ら手を挙げて新しいことに挑戦する姿勢は、周りにも良い影響を与えたのではないかと思います。普段あまり会話をしない方からも複業について質問されることもありました。自分の経験を通じて、他の方にも「自ら手を挙げて挑戦することの大切さ」を伝えられたら良いと思っています。
──同時期に複業留学に取組んでいた同期との関わりや互いの活動・レポートから学びや気づきはありましたか?
同期のレポートは毎週確認し、ミートアップにも参加しました。同期も試行錯誤しながら取り組んでいる様子を見て、共感を覚えることも多く、励まされたこともありました。
中でも留学先の顧客に対し研修を行っていた同期のレポートは印象的で、留学先にとっても第三者の視点で業務を説明することは、貴重な機会だったのではないかと思いました。
──第三者からの評価を受けて、どう感じましたか?
非常に的確に評価されたと思いました。自分の弱みや今後伸ばすべきポイントについてのアドバイスもあり、大変参考になりました。
複業時にもよく野球の打率やホームランの話を例に挙げて説明されていたことが印象に残っています。打率を上げること(相手に刺さる提案ができること)はもちろん重要だが、ベンチャーは自分の得意のボールがきたら、常にホームランを打てるように準備することが重要であると。このような視点は、とても新鮮でした。このほかにも私の活動について、いろんな角度からさまざまな指摘をしていただけたことは、とても勉強になりました。
──複業留学での経験を今後どのように活かしていきたいですか?
複業留学での経験を活かして、より効率よく物事を進めるようにしていきたいと思います。特に打率を上げること、つまり成果を上げるための取組みに注力したいと思います。一塁打を量産することも大切ですが、特定の分野で「これが来たらホームランを打てる」というような強みを意識していくことも重要だと思っています。
また、現在の業務においては、相手先の業務がわからないことも多いため、仮説を立ててヒアリングしたり、ビフォーアフターを明示して、両者の認識をしっかりと共有することなどが重要です。こうした動きは時間もかかりますが、結果的には品質が向上し、時短にもつながることも多いと思います。両者にとってWIN・WINになるように、しっかりとした情報収集を行い、相手の課題に刺さる提案ができるように努めたいと思います。
また、このような考え方は、ビジネスシーンのみならず、日常生活においても重要なスキルだと思います。これからは複業先で学んだことを意識し、さまざなシーンでより良い成果を上げられるよう努力していきたいと思います。
──ほかのメンバーに複業留学をおすすめするとしたら、どんな言葉をかけますか?
複業留学は自分自身の力を試す絶好の機会だと思います。今までやったことがないことや苦手な分野に挑戦することで、自己成長につながる経験が得られます。
私自身も苦手な語学の分野に敢えて挑戦することでいろんな発見がありました。 社外での経験はとても貴重で、自己成長やスキルアップにつながると思いますので、ぜひ挑戦してみてほしいです。
新しい経験があなたの成長に大きく寄与するはずです。
エンファクトリーでは、複業留学をはじめとする様々な越境学習サービスを提供しております。
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